- 初秋の世界遺産・白川郷と五箇山合掌集落
- 2012.10.14 Sunday
- category: 旅行ガイド
-
昨日、初秋の白川郷を訪れてみました。
前回は、2011年の2月に、石川県から富山県を経由してアプローチしましたが、2回目の今回は、愛知県側からのアプローチとなりました。
朝早く今の家を出て7時半には現地に着きました。
高速で走っていて途中のSAにトイレ休憩しに車外に出ると、さ、寒い!!
服装は長袖のポロシャツ一枚とジーパンといういでたちでしたが、これでは山中になる岐阜北部は寒すぎる!
結局、撮影時にはいつも持参のゴアテックスのレインコートを防寒用に着て、その上からカメラマンジャケットを重ねることになりました。家に帰ってから最低気温を確認すると5度しかありませんでした。氷が作れる一歩手前です(^_^;。ただ、お昼頃にはその格好では暑すぎて、ポロシャツにカメラマンジャケットの2枚でちょうどいいくらい。重ね着で温度調節できる服装が必要な季節のようです。朝と昼の気温差が15度近くありますので。
白川郷の場所はここね。ちなみにマークされている場所が後述の、せせらぎ公園駐車場。
大きな地図で見る
車で行く人のために説明しておくと、白川郷の駐車場は大きいのが2箇所あって、萩町駐車場というこの画面の真ん中を上下に走っている道路の真ん中にある駐車場と、もう一つは、せせらぎ公園駐車場。ただ、萩町駐車場は2012年3月で閉鎖されました。現在は強制的にせせらぎ公園側に誘導されます。また以前はあちこちにあった個人経営の駐車場は、村としては景観維持のためなど廃止の方向で検討しているようです。村内は基本的に禁煙なので、喫煙者はここで火を消してから散策を始めましょう。
さて、まずは、定番の萩町城跡展望台に寄って、全体がどんな感じになっているか確認しておきました。
展望台はここね。
大きな地図で見る
さすがに冬に来た時とは違う風景ですね。雪がないし(笑)
稲の刈り入れは終わっているのに、紅葉した樹木もなく、、、少し中途半端な季節に来てしまったようです(^_^;
来てしまった以上、雪をかぶっていない各所を記録用に撮影開始。
まずは国の重要文化財でもある和田家。
今も和田家の人が住んでいます。
9時〜17時まで入場料300円を払うと中を見学できます。
基本的に白川郷と五箇山は「全部」人が住んでいるので、こうして見学が許されている場所を除いて、勝手に中を覗こうとしてはいけませんよ。
次は県の重要文化財に指定されている神田家。
9時〜17時まで入場料300円で見学可。
長瀬家です。
苗字でそのまま観光施設というのは、ある意味すごいですよね。
有名人が記念館みたいなものを作る時もフルネームが基本ですし。
明善寺の鐘楼です。
9時頃に通りかかったらツアーで来ている中国人観光客がいっぱいいました。せせらぎ公園駐車場から比較的近い場所だったからなのかもしれません。仕方ないので、人が切れるまで少し待ちました(実は、僕は人が入ってもいい派なのですが、絵にならない人は入れたくないので)。観光客はいつかいなくなるものなので、こうした時はじっと待つことが必要なんです。くれぐれもキレたりしてはいけません。写真家が観光客と張り合っても何もいいことはありません。さっさと譲って要望を満たしてあげれば、そのうちいなくなります。これから紅葉シーズンで観光客とかちあうことが多いと思いますが、なるべくなら観光客が来ない時間に行きましょうね。ここは今回の撮影の最後の方で、ここを去る直前だったんですよ。それでね。
村内には普通に人が生活しているので生活道路を兼ねているのですが、この木道はおそらく観光用に作られたものです。普通の民家の横に合掌家屋があるのが面白いですね。
町外れの、ます園文助近く。
許可をもらって、田んぼのあぜ道から撮影させていただきました。
3つの合掌家屋が並んでいるのが風情があっていいですね。
今回は、ここまでで歩き疲れたのと、そろそろ人も出始めてきたので、ここで撤退しました。
この他に、見るべき場所として、せせらぎ公園の目の前にある野外博物館合掌造り民家園(8:40〜16:40※季節変動あり。500円)があります。冬に来た時には行きました。和田家や神田家のように中を見学できるようになっていますし、そちらよりも空いているので、じっくり民家を見て回りたい人は、こちらの方がいいでしょう。
もう一つは、白川八幡神社の先にある「かん町地区」。そちらは僕もまだ見ていないのですが、良さそうな場所ですよ。次に行く時には、そちらも訪ねてみたいところです。
そうそう、今日から白川郷ではどぶろく祭りをやっているので、振る舞い酒があってもドライバーの人は飲まないようにね〜。
で、9時半には白川郷を後にしたわけですが、ここまで来たらどこまで行っても一緒だろう(?)と、同じ世界遺産の五箇山にも地図を頼りに足を伸ばしてみました。五箇山の合掌作り集落は2箇所あり、菅沼と相倉。
菅沼地区はここね。
大きな地図で見る
集落を通りかかる幹線道路沿いに駐車場があります(500円)。実は無料駐車場も近くに通りかかるので、早い時間だったらそちらで大丈夫です。
幹線道路沿いの歩道上からの撮影です。
これでほぼ全体なので、白川郷に比べるとずっとコンパクトです。
他の写真?だって下に降りないでスルーしちゃったから、、、。下に降りても、だいたい同じだろうし、と。(^_^;
もう一つの相倉地区はここ。
大きな地図で見る
こちらは駐車場に車を置いて、ちゃんと写しましたよ。
駐車場から村を見下ろせる場所に登れるルートがあったので登ってみました。
菅沼地区に比べると大きい集落ですね。白川郷ほどではありませんが。
村内はこんな感じです。
ちょうどコスモスが見頃を迎えていました。
民宿として使われている民家が多いのですが、こうした花を植えていたり、物干し竿に洗濯物が揺れていたり。白川郷でもそうですが、生活感はこちらの方がありました。
お寺も合掌造りです。
これらの他に、皇太子殿下の歌碑がある神社などもありますが、世界遺産の理由と関係ないので省略。
なお、この相倉地区では、現在、一軒、家が空いていて維持が大変なので、一緒に暮らしてくれる住民を募集中です。家賃は月1万円。興味のある人は「世界遺産に住まんまい家?」をどうぞ。
知名度で上の白川郷と同じ世界遺産地区にありながら、この相倉集落は、駐車場から集落の中心部が近いので、障害があったり疲れやすい人は、この相倉集落の方がいいかもしれませんね。なお、お土産は特産のお豆腐をどうぞ。僕はお豆腐クッキーを買ってきました。そういえば、途中の道路で熊料理の看板を見たんですよね。食べてみようか迷ったことは秘密です(笑)
こうして、お昼には、五箇山を撤退して帰路につきました。
次に白川郷と五箇山に行くとしたら、背景の森が色づく11月中旬以降かな〜?
その前に、白川郷近くの白水滝やジライ谷野猿公園なども行きたいですね。泊まり用の装備で行けば良かったかも?
なお、名古屋方面からだと、この白川郷付近の高速は追い抜きができない区間が20kmくらいあるので、遅い車がいてもイライラしないように、時間に余裕をもって出かけましょうね。逆に、車を縫って走る「三河走り」やノーウィンカーで突然目の前に入ってくるマナー・ルールの悪い車が多い土地柄なので、他地区から来てびっくりしないように車間距離にも余裕を持ってね。 - comments(2), trackbacks(0), - -
にほんブログ村
- お城に泊まる/ラ・ヴェルリーの休日
- 2009.06.01 Monday
- category: 旅行ガイド
-
今回のフランス旅行には二つの目玉があり、一つがモンサンミッシェルで、もう一つが今回ご紹介するラ・ヴェルリー城(Chateau de La Verrerie/シャトー・ド・ラ・ヴェルリー)なのでした。「地球の歩き方(フランス)」で見つけたお城ですが、情報が少ないため、インターネットから検索されることも想定し、こちらも日本人旅行者向けにしっかりと記録を残しておこうと思います。
霧に浮かぶ幻想的な夜明け
ラ・ヴェルリー城の泊まり方
このお城の良い所は、見ているだけでも美しいのですが、ホテルとして一般にも開放されていることです。もちろんお城のオーナーも住んでいるのですが、そのお城にゲストとして宿泊することが可能なのです。ここに泊まりながら、お城を中心とした公園地区をゆっくりと楽しみつつ、優雅な休暇を過ごせば、心身共にリフレッシュして帰国することができるでしょう。とにかく素晴らしい所でした。いつかまた泊まりたいです。
さて、その予約方法です。「地球の歩き方」には10%割引特典があるようなことが書いてあるのですが、同時に宣伝されているのが「シャトー&ホテル・コレクション」という代理店。この宣伝方法がくせ者で、実はシャトー&ホテル・コレクションを介して予約すると割引特典はありません!まぁ日本語かつメールでことが済みますので便利ではあります。普通に考えれば、お金を取るか時間を取るかということになりますが…実はこのお城には笑顔の素敵な日本人女性「渡辺さん」が城主の右腕としてフロント 兼 広報 兼 接客 兼 お城の管理などなどをきりもりしています。写真は中庭で上部が客室。
ということは…実は日本語でも直接予約可能ということなのです。これを知っていれば、一泊160ユーロ(写真のツインルーム)×2泊×10%=32ユーロの節約ができたのですが、ホテルが自分で持っているページを見つけられず、さすがにそんなことまでは行くまで分かりませんでした。とにかく日本では知名度がありませんからね…。orz
お城について
ロワール側上流域にあるこのお城は、500年以上の歴史があります。その由来は客室入口前の壁画にもなっているのですが、イングランドとの百年戦争まで遡ります。劣勢に立たされたフランスは、現在の国土の半分程度まで縮小してしまいました。そこから現在のフランスの領地を確立していく過程で英雄の一人として有名になったのが、かのジャンヌ・ダルクです。さすがに大規模な戦争でしたし、現在のフランスの姿を形作る戦争でもありましたので、有名な英雄の陰に隠れてはおりますが、たくさんの英雄が生まれました。
その一人が、この城が建つ領地を支配した、ジョン・スチュアートでした。彼はスコットランドから15000人の兵士を連れてフランスを助けました。その功により、この領地をもらいました。お城はその孫の代に建てられました。最初に建てられたのは現在は修復中のチャペルの辺りとされています。現在の姿になるまでには何度かの拡張工事が行われていて、現在客室として開放されているのは最後の拡張工事の際に追加された部分とのことです。写真は正面から見たお城の外観。
客室は全部で12。スイートルームは天蓋付きのようですが、そちらはさすがに1泊300ユーロクラス。チャペルもありますので結婚式も挙げられます。新婚さんが使うには良いお部屋でしょうが、さすがにただの旅行者の私にはかなり予算オーバー気味の料金です。というわけで私が泊まったのは1泊160ユーロの部屋でした。今のオーナーの叔父が訪ねてくる時に使用していた部屋だとか。部屋には鍵がないのですが、今まで盗難被害は無いそうです。せちがらいパリとは大違いですね。:-)
他にゲストに立ち入りが許されているのは、玄関(左の写真)、受付、朝食用部屋、図書館(小)、サロンです。他にも部屋はあるのですが、そちらはツアー用とオーナーの住居用としての利用スペースとなっていてゲストは立ち入ることができません。
ツアーは、一般客向けに1時間おきに催されていて、お城の中を役者さんが芝居仕立てで案内してくれます。古いふる〜い本物の図書館、貴重なパイプのコレクションが飾られた居間、熊殺し"bear slayer"が飾られたビリヤード・ルームには人が入る籠もあります。最後はダイニング・ルームで終わりです。案内はフランス語ですが、英語のパンフレットを買うこともできます。ちなみにゲストは全部無料です。パンフは本当はゲストでも有料だったのかもしれませんが好意でいただけました。さすが日本人は気が利いていますね。
食事について
朝食はお城の中の朝食用部屋で。昼と夜はお城の外にある一般客も利用可能なレストランで頂くことになります。なかなかの味です。が、味には料金が伴います。ここはドレスコードこそありませんが、結構まともなレストラン。ディナー料金はお一人様40〜50ユーロをみておく必要があります。お昼料金というものはありませんが、オムレツとかもありますので、お昼は20〜30ユーロ程度でしょうか。フランスって食事代が高い国です。確かに美味しいのですが。
ゲスト用の駐車場はこのレストラン前の駐車場を利用します。荷物は中庭で一度降ろしてからこちらに車を持ってきた方が良いでしょうね。
これが借りていたレンタカーなのですが、一応ベンツです。だから高いというわけでもないのですが、ベンツも色々ということですね…。
公園について
このお城の周囲は、公園として一般に開放されています。門はありませんので自由に出入りできます。駐車場はレストランにしかありません。公園だけでも40haぐらいあるそうです。現在の領地は1700haと伺いましたが、これは東京ドーム363個に相当します。どのくらい広いのか見当が付きませんね…。
これが入口にある公園の地図です。お城の前に大きな湖がありますが、森や原っぱ等もあります。この地図をよく見ると、ケモノの姿が描かれていますよね。鹿、猪、ウサギ、馬、キジ、ウズラ(?)等が描かれています。私もキジを2度ほどみかけました。馬は野生ではなくて、オーナーのものです。
トイレはお城の正面入口脇にあるブティックとレストラン内にしかないようです。観光のみの一般客として来訪する場合には朝は使える所がありませんのでブティックが開く11時前あたりにいらっしゃった方がよろしいでしょう。この周囲にもコンビニなんていう便利なものはありませんし、そういう意味では不便な所です。
公園の周囲には菜の花畑が広がります。これは入口の外側にあった菜の花畑。フランスを旅してみて気づいたことは菜の花畑が多いということ。もちろん日本とは違い観光用ではありません。実用として採取しているのです。農業国ですね〜。一つ一つが何十haもあるような規模なんですよ。フリーウェイ(高速道路)を流していても次から次へと黄色い平野が広がって目を楽しませてくれます。隣に座っていればさらに楽しめるんですけれどね〜。:-o
このお城の醍醐味はなんといっても、湖を前景にしたお城の眺めです。眠い目をこすりながら朝早く起きて散歩をすれば、森に入っていかなくても、道路脇から楽々と朝靄に包まれる幻想的なお城の光景を目にすることができます。この辺からでしたら虫に刺される心配もあまりないでしょうし、ハイヒールでも大丈夫です。
静まりかえった水面に、霧が湧き出す光景は、森の中に入って見る方がさらに幻想的。ただし、明るくなってきているとはいえ森の中には、鳥や獣の声が響き渡ります。女性一人だと少し怖いかもしれませんね。とはいえ宿泊は1人ではワリに合いませんので来る時は一人ということはなさそうです。
城を抜きにしても、森の中で迎える朝は気持ちが良いものです。マイナスイオンが目に見えそうです。すがすがしい気持ちになれます。朝、ちょっと早起きするだけで良いのです。散策した後に朝食をとれば素晴らしい一日が始まりますよ。
この公園内の森は、道はあまりよくありませんが、間伐がされているのか適度に爽やかで、躍動感のある樹が多く生命感にあふれています。実際に生命(ケモノ)もあふれているのですが(笑)。この森を歩いているだけでも元気になります。
「DANGER」と書いてあります。書いて無くても危険だと分かりますが(笑)。卵がしかけてありますね。イノシシって卵を食べたりするのでしょうかね〜。番号が振ってありました。それだけ森の中にはしかけられているということです。凄い数です。
十字架に見えるモノなのですが、レリーフが彫ってあります。ただのトーテムポールなのかも。森を抜けた先にある所で見かけました。バギー(レンタル)の通り道のようですが…。
ちょっと人が入らないような場所に分け入ってみました。川の音が聞こえたもので。そこに見たのは奥入瀬のような風景。う〜ん、清涼な空気が流れていますね。蚊にはたくさん刺されましたけれど。
お城の前にある湖には、ゲストが使えるボートが用意されています。でもね、渡辺さん。自由に使って良いとおっしゃられても…ボートの中に雨水がたまっていますし、オールがないんです。これでどうやって漕げと…。敷地が大きいのでこういう細かい所に気が回らないらしく、これを読まれているあなたが行く時には使えると良いですね。せめて写真だけでもと思い撮ってきました。
城主の馬です。馬で狩りをするそうです。他に2頭いるそうですが、ここは彼(彼女?)の専用放牧場です。一応レジャーは色々あります。乗馬、(さきほどの)ボート、荒れ地を行くバギー、他にも熱気球もあるらしいのですが、私には見つけられませんでした。とにかく広くて。
湖に注ぐ小川です。この元を辿ってみましたが、公園を横切ってさらに外から引かれていました。どうやら本物を引いたようです。引いたのは人工的だとしても。そしてこの川を前景にお城を写すこともできます。修復中のチャペル尖塔を隠せる角度が少なくて、そこが今回は残念だったのですが、モン・サン・ミッシェルの堆積土がなくなったらまた行きたいと思いますので、またその時に寄れたらいいなぁ。
夕日に輝くシャトー・ド・ラ・ヴェルリー
さて、このお城のガイドも最後のカットとなりました。このお城に来た日に確認したのは方位磁石。ここは朝日は微妙に逆光になり、西日で順光になります。この日は前日のリサーチ結果に基づき、夕日に少し粘ってみました。もう最後ですし、天気はご覧の通りそれほど良いというわけでもなく、ずっと雲の中に太陽は潜ってしまっていたのですが、もうダメかな〜という最後の最後、夕方8時頃になってようやく最後のワンチャンスを得たのでした。
以上、このお城の魅力を日本の皆様にご紹介したいと思い、写真で構成しました。このような宿泊可能なお城はフランスにはたくさんあります。次はあなたがお城に泊まる番です。私だって、また5年か10年経った頃にでも行くつもりですけれどね〜。:-)
JUGEMテーマ:海外旅行 総合 - comments(0), trackbacks(0), - -
にほんブログ村
- モンサンミッシェル・ツアー
- 2009.05.10 Sunday
- category: 旅行ガイド
-
前回の「モンサンミッシェル個人旅行ガイド」は実際に撮る人のためのノートでしたが、今回はなかなか見に行けない人のためのものです。つまり少しばかりですがこの島についてツアーガイドを務めさせていただきます。その割には今思えばいくつか抜けている写真があるのですが、その点はいつか行ってみてのお楽しみということで。
さて、では私と共にモンサンミッシェルに旅立ちましょう!
朝、ご飯も食べずに、まずは一路モンサンミッシェルに!フランスの日の出は遅いのです。サマータイムがあるため、現在の時差は日本マイナス7時間。今は朝の6:30です。朝寝坊さんでも日の出に間に合う時間ですよ〜。まずは厳かな朝の空気を吸う所から一日は始まります。
そして朝7時を迎える頃、太陽が昇り、暖められた大気で雲が大きく動き始めます。爽やかな朝ですね。パリやレンヌから日帰りでバスツアー(パリ発日本語ガイド付きで2万円前後)に参加する方法もありますが、中を見るだけならばともかく外の空気を味わいたい我々風景写真愛好家の場合は、やっぱり島外に宿泊してじっくりと観光兼撮影をしたいところですね。パリからここに来るには4〜5時間はフリーウェイを走り続ける必要があるため、朝7時発のバスでも、到着はお昼頃となります。そして2〜3時間のガイドと自由時間の後、また帰途についてパリの戻りが21時くらいでしょうか…。(晴れている場合)強い昼間の光の時間ですので外の風景撮影には向きません。
さらに近づいていきます。堂々たるモンサンミッシェルの姿が青空をバックに映えますね。このお城のような修道院はかつてイングランドとの戦争(百年戦争)時には要塞としても使われた経緯があります。急峻でこの要塞が落ちる所なんて私には想像できません。
さて、この私が立っている所ですが、実は満潮時には海の下に沈みます。モンサンミッシェルは海の上に浮かぶ孤島というよりも、海が押し寄せる場所なのです。干潮時には来客者用の駐車場として機能します。あなたが乗ってきたツアーバスもレンタカーもこの駐車場に止めることになります。
島に入るとまずは町への入口があります。修道院の下部には宿泊施設やレストランが並びます。この入口の左手には旅人に役立つインフォメーションのお姉さんが受付で迎えてくれます(用がなければ素通りしても良いですよ)。町中には唯一(?)の公衆トイレもここにあります。40セントを払って利用しても良いですが、この後、カフェで朝食を取ったり、修道院に行くつもりでしたらここは素通りしても良い場所です。ユーロを得ることのできるキャッシングコーナーもありますよ。フランスへのご旅行時にはクレジットカードをお忘れなく。
ところで右手には砲台とその弾が今も展示されています。百年戦争でイングランド軍が捨てていったもの。かつてフランスの領土の半分を占領していました。ここからフランスは再起していくことになりますが、その時の英雄の一人がジャンヌ・ダルクです。
早く来てここのカフェの一つに入り、ご飯を食べれば、朝の撮影もでき、駐車場代も浮いて大助かりです。日本語の看板も出ていますが日本語が話せるわけではありません(笑)。メインストリートとは思えない狭さです。ここを荷物搬出入のための車も通ります。おみやげはどこでも買えます。店毎にたいした違いもありませんのでどこで買っても同じです。上の修道院内にもお土産を買える場所が2カ所あり、人によってはそちらで買った方が良いものがあるかもしれません。ここで買うのは帰りで良いでしょう。
下の町の部分にもこぢんまりとした教会があります。
フランスではありふれた教会の一つですが、ステンドグラスの色合いがよく、また古い木製調度により温かみのある空気がただよっています。時間があれば覗いてみても良いでしょう。
さて町からは少し傾斜のある坂が数分続きます。その途中にキリスト像が屋外に設置されたスペースもあります。坂の上からですので海が見渡せる位置です。海の上に浮かぶ孤島であることを実感できるようになる場所ですね。
失敗。入口を写してくるのを忘れました。:-p
入場はだいたい9:30に開始です。個人と団体は並ぶ所が違いますので間違わないように。まぁ簡単な英語で書いてありますので大丈夫です。ですが…さすがフランス。受付が平然と遅れます。私の時は始まるまで15分ぐらい待たされました。
そして入ってから入場チケットを買います。一人8.5ユーロだったように記憶しています。追加料金をいくらか払うと、日本語も可能なメディアガイドを貸してくれます。個人で来る場合には借りてみても良いでしょう。
そして本当の意味で入場すると、まずは修道院の外部の階段を使って一番上のこの辺まであがってきます。下から見上げた尖塔がほぼ真横(多少上ではありますが)に見ることができます。拡大してみるとあの尖塔の上は尖っていませんよね?実はミカエル像(たぶん)になっているのです。トイレがこの辺にあります。下でカフェに入らなかった場合には利用したいところ。これから2時間くらいかかります。じゃ、私、ここで少し待っていますね。:-p
まず、広々と開けた屋上テラスに出ます。ここからは地平線や水平線を眺めることができます。運が良ければ干満の様子を上から見ることもできるでしょう。早く来て車はちゃんと土手の上に止めてきましたよね?
屋内だけでは息がつまってしまいますから、そう考えてこんな空中庭園を造ったのかもしれませんね。
いよいよ聖堂の内部です。最初からいきなりクライマックスです。広々とした聖堂にはずらっと椅子が並びます。窓から差す光が冷たく辺りを照らし、厳かな空気が漂います。もちろん座ることもできますので、ここに腰掛けて、しばし千年の歴史の重みを感じたいものです。
この聖堂は、レリーフとか彫刻とか、とにかくシンボルとなるものが多いように感じました。この像は赤ん坊を抱えておりおそらくキリストを抱く聖母マリア像なのではないかと推測されます。こういう時ガイドを借りていると確実なことが言えるのですが…。けちって失敗したかしら?:-o
大天使ミカエル(MICHEL)が司教オベールに手を当てているレリーフです。この図はこの修道院の起源を示しています。言い伝えによれば、大天使ミカエルがアヴランシュ司教オベールの夢に出て「この岩山に聖堂を建てよ」とお告げしたとあります。ところがオベールはこの夢を信じずなかなか建てなかったため、最後にはオベールの頭に穴を開けてしまい、起きてから気づいたオベール(笑/おいおい)がついにこのモンサンミッシェルを建てたということです。起源708年のことです。1300年も経っているんですね。
18歳未満は無料のようで、フランスではどこの歴史的建造物や美術館でも小学校や中学校の授業に利用されることが多かったです。
こういうお祈りスペースが大きな部屋の各所にいくつも配されています。修道院は本当にお祈りする所なんだなと誰でも理解できるほどです。
そういう部屋の一つを外から見てみた所。場所によって緑だったり黄色だったり、色彩効果にも配慮しているのかもしれません。色彩が精神に与える影響を既に理解していた可能性がありますね。こういう所をたくさん巡っていきます。
そうこうしていると、謎の車が。大きさと構造からして人間が中に入って回したように見えます。外が見える窓を見ると、ロープが巻き付いていました。どうやら外から食料や水等を運ぶために使われたもののように見えます。
こういう石でできた螺旋階段を通ると、いかにも中世風で私などは少し萌えますが、車椅子の方には難しい見学場所ですね。
神秘的な雰囲気をたたえた不思議スペースが続きます。過去の修道士達のお祈りが聞こえてくるようです。
さて、ここが修道院施設の出口なのですが、ここに起源となった大きなミカエル像があります。お土産屋さんがこの手前にあり、そこで、この像のミニチュアやポスター、絵はがき、ビデオ等を買うことができます。このミカエルの剣(大/小アリ)も売っています。
こんな所に出てきます。入口とは違う所。裏手に当たるのですが、間近で見上げる修道院は険しい印象です。ここから庭園が続きます。
城壁の内部、つまり庭園の中を歩いて下に下っていきますが、花も咲いています。岩の上に咲く花は野性味がありますね。
どこかの森かと勘違いしそうになりますが、ここもまだ城壁の中。ここに来て、ラピュタに似ていると思ったのは私だけではないはず。モデルなのかと思い調べてみましたが、どうやらそうでもないようです。
もうすぐ終わりという所で振り返ってみました。側面に当たる方向です。要塞っぽい高くて垂直な壁ですね。この後、ちょっとした広場があります。近くのクレープ屋さんや下のカフェでサンドイッチを買ってこの辺の広場で食べても良いでしょう。旅の記念になります。
ここまで入口から出口までゆっくりと写真を撮ったり感傷にふけったりしながら回って3時間程度。早い人は1時間でも回れます。ということは時間はまだまだあります。旅行はこれからです。では再び外に出てみましょう。
天候がころころと変わるのがこの土地の特徴。朝あれだけ晴れていても昼には曇り雨が降ります。ですがそれさえも長続きしません。夜には止みます。そういう自然現象の変化の激しい所こそが風景写真を写すのに向く場所だと私は思います。例えばこの風景は、こういう状況の先を読んで待機しているからこそ見ることができるのです。
レンタカーで来た方は、ぜひ周りの道路をカーナビを頼りに回ってみてください。海、草原、畑、林、と印象の異なる風景があなたを待っています。牛さんがのどかに草をはんでいたりアヒルが飼われていたり、フランスの田舎町のスローな時間を肌で感じ、またその時間を写真に残したいですね。
夜にはこんなライトアップも行われます。ここはモンサンミッシェルの東の対岸の岬から見た風景。車で30〜40分くらいだったでしょうか。風が強くて私はあまり良い写真が撮れませんでしたが、あなたの時には風がやんでいると良いですね。
もしレンタカーででかけた場合には、東にある岬にも行きたい所。西向きに見れば、沈む太陽の残照が空に残すわずかな色の変化を観察することもできるかもしれません。
実はこの写真を撮って帰る途中。左ハンドルの幅に慣れていないためと暗くて狭い道路のため、右のタイヤを少し背の高い縁石に乗り上げてしまい、パンクさせてしまいました。私、免許を取ったのは写真を撮るためですので、まだ3年経っていません。レンタカーですから日常的に乗っているわけでもなく、パンクに遭遇したのは初めてで焦りました。ホテルまで乗って帰り、翌日に宿の主人がいる時にスペアタイヤへの交換の仕方を教わりました。こういうこともあるということです。保険は全部(Full Protection)で入っていたので修理の手配も別料金もかからなかったのが不幸中の幸いでした。
…というわけで、モンサンミッシェル・ツアーはお楽しみいただけたでしょうか?次はあなたが実際に訪れて記事を書く日を楽しみにしております。歴史の空気は実物に立ち会うことでしか得られないものですから…。:-)
JUGEMテーマ:海外旅行 総合 - comments(0), trackbacks(0), - -
にほんブログ村
- モンサンミッシェル個人旅行ガイド
- 2009.05.09 Saturday
- category: 旅行ガイド
-
4/25〜5/5にかけてフランスを旅してきました。今回はそのうちモンサンミッシェルを個人旅行で撮影するための知識についてお話しします。日本語で得られるフランスでの撮影に必要な情報は少なく正直よく分からなかったと感じたもので。遠い所ですしすぐに役立つ方はかなり少ないでしょうが、いつか車で行きたいという方にはたぶん役立ちますので存在を忘れないように印刷して手持ちのガイド誌にでもはさんでおいてください。「地球の歩き方」のような移動手段について考慮のないガイド誌は写真を目的の一つにしている我々写真愛好家にはあまり役立たないと今回痛感しました。少なくともここを撮るのには「全く」役立ちません(きっぱり)。
フランスへの入国に必要なもの
まず、フランスへの入国ですが、これは他国に比べて簡単です。飛行機のチケットとパスポートがあれば入れます。この辺はガイド通り。フランスだと無難にエールフランスのサイトで2ヶ月以上前に申し込むのが安い上に便も確定できて安心です。私は夜の便(成田発:21:55→パリ着:04:15、パリ発:23:35→成田:18:00)で飛びましたので、時間を最大限使えています。2ヶ月以上前というのがネット予約で安く海外に行くためのポイントなのです。さて、パリに朝着いて、最後は夜に去るとなると我々が気にするのは、カメラ以外の荷物をどうするかです。当然、着いた日はその日(の夜)に泊まるホテルに預けてから撮影し、立つ日はその朝にチェックアウトしたホテルに預けておいて空港に行く前に取りに行きます。最初と最後にパリに泊まる日程を組めば、こんな朝早くや夜遅くの便でも荷物に煩わされる心配がありません。空港とホテル間をタクシーにする場合は…どこでも構いません。電車で移動を考える場合はメトロは諦めてRERの駅の近くにしましょう。メトロはエレベーターがありませんので、何十キロもの荷物をかかえて彷徨うことになります。男性はそれでも良いのですが女性が…。
レンタカーについて
免許は、国内のものの他に、国際運転免許証が必要となります。国際運転免許証はお住まいの地域の免許センター等でその日のうちに取得可能です。発行手数料と写真代だけで済みます。1年間有効です。
フランスのレンタカーはいくつかありますが、ハーツ(Herz)が無難でしょうか。理由は「ネバーロスト」というGPSがあるためです。これは日本語によるナビ(ただし日本語は音声のみ)が可能で曲がる所を聞き逃す心配がありません(英語でもそれほど難しいことを指示されるわけではありませんが)。入力や表示は英語(地名はフランス語)で行いますが、普段ナビを使っている方には特に操作で悩むことはありません。ただし、このナビは「かなり」性能が悪いです(日本だと5年以上前、いやもっとか…)。行き先のメモリー数は1個のみ(つまり目的地のみ)。入力できる情報は日本とは違いストリート名を知っている必要があります。フランスでは全てのストリートに名前があります。したがって行き先のストリート名を知らないと一度近くの大きな都市の主要地を表示してから地図上でポイントする必要がありますが面倒です。ではこのストリート名をどうやって知ることができるかですが、あらかじめ調べておくしかありません。ハーツではナビを借りた場合、地図をくれませんし、仮に地図をもっていても全国地図だとこの入力にはあまり役立ちません(ストリート名までは載っていないのです)。あらかじめgoogle mapで調べておくことです。例えば「モンサンミッシェル」と入れると、陸地側のストリートに「Route du Mont Saint-Michel」という名称が見えます。最初の「Route du」や他に「Rue」とか「Le」とかは全部接頭辞と思って無視して後の「Mont Saint-Michel」が入力すべきストリート名になります。
全体の移動にはあらかじめ地図を買っておくと便利でしょう。最初にどこかに寄る予定があればフリーウェイ(=高速道路)の各所にあるどのSAの店舗でも売っています。パリ市内からであれば、フナック等の書店で入手しておきます。ただし本屋は日曜は開いていませんので日程に気をつけてください(SAはやっています)。SAの場合は50kmも走れば1カ所ぐらいは店舗のあるSAがあります。国内では扱いが少ないですが輸入書籍を購入しておくと安心でしょうか。私は途中のSAでMICHELINが発行している"Atlas Routier France 2009"という地図を買いました。ストリート名はありませんが、幹線道路のナンバーが書いてあるため、GPSとにらめっこするのに便利です。
そしてハーツで借りるにしろ別の所で借りるにしろ、フランスはMT車がほとんどです。AT車はとても扱いが少ないですので早めに予約しておくことをオススメします。直前だと在庫がないということもとても可能性が高いです。今回途中でパンクして応急修理しましたが、長距離を走るための代車を用意するのに時間がかかって大変でした。MT車だとすぐに用意できたのですが、免許取った時はMTなものの(海外だとこんなこともあろうかと)、実際の道路で乗ったことがなく、すっかり運転の仕方を忘れました(意味ないじゃん!)。ATの免許しかない人の場合はさらに致命的になりますね。
左ハンドルであることは少し慣れが必要です。右を走るのが難しいというのではなく、道路の真ん中を走りにくく、つい右に寄ってしまい、少しホイールを削ったりしました。右ハンドルを最初に握った時もそういえば少し道路の脇に寄り気味でした。これは適性によるのかもしれません。
そして交差点での曲がり方が決定的に違います。フランスはロータリーによる交差点がほとんどなのです。左から来る車が優先ですので気をつけてロータリーに入ります。標識はほとんど日本と変わりませんので大丈夫です。が、このロータリーがくせ者。何番目で抜けるか把握する必要がありますが、ネバーロストの性能を思い出してください。こんなしょぼい機能しか持っていないナビ、当然ですが動作が遅い!するとめまぐるしく変わる方向と距離にややずれが生じてしまい、これを見ながらやっていると一つ間違うことが多いのです。何度余計に走ったり、ぐるぐるやり直したりしたことか!ロータリーでは速度を落として走行しましょう。そして当然ですがパリ市内もこのロータリーの山です。しかも間違ったら車が多かったり一方通行だったり、ナビのずれでとてもやり直しがしにくくどんどんあらぬ方向に向かってしまいます(涙)。一応用心してパリ市の中では外れにあるポート・メイヨの営業所で借りたのですが、市外に出るのに四苦八苦。:-o 時間に余裕を持って予定を組みましょう。
ガソリンスタンドはガイドだとあまり無いとか結構なことが書いてありますが、パリからモンサンミッシェルのルートはそれほど困りません。まずフリーウェイのSAには結構ガソリンスタンドがありますし、村でも一カ所か二カ所はガソリンスタンドに出会えます。見つけられない時は、近くで食事でもして聞いてみれば良いでしょう。国内でもそうなように当然英語が通じない相手もいますが、こういう時の常套手段として地図と、あらかじめ調べておいた言葉や翻訳機の言葉を見せれば分かってもらえるでしょう。ただ客商売をしている人達には英語を片言でも理解できる人が多いです。
なお、ヨーロッパはディーゼル車の普及率が結構ありますので、借りた車に入れる油の種類を間違わないように注意が必要です。どのガソリンスタンドにも、通常のガソリンとディーゼルと両方が用意されていました。英語で書いていないガソリンスタンドもありますが、色分けされているので安心です。普通のガソリンは緑、ディーゼルは黄色と決まっていました。なお、日本のガソリンスタンドでも一部そうですが、セルフでガソリンを入れて近くの店内で精算するスタイルがほとんどです。番号を伝えれば分かってもらえます。ついでにトイレにでも寄りましょう。
ちなみにハーツの通常料金は結構高いのですが、HIS等の提携会社を経由して申し込むことで大幅にディスカウント可能です。提携サイトで予約すると保険は全てを付けられないのですが、そういう時は現地営業所にて「Full Coverage」もしくは「Full Protection」と言えば分かってもらえると思います。ハーツの保険制度についてはこちら(外部サイト)をご覧ください。
天候と服装
おそらくun terrienさんあたりが補ってくれると思いますが(笑)、天候はころころと変わります。朝どれだけ晴れていても昼には真っ暗です。そして雨が降り、夜になると止んだりと忙しいです。車の移動だと雨に降られても待機可能ですので安心ですね。ただ、こういう天候条件ですので、モンサンミッシェル周辺の堆積土の上に出来た草原は、いつも濡れていました。私のように野外で撮る気があるのでしたら、レインコートと防水の靴持参を「強く」オススメします。多少荷物にはなりますが防寒の役目もあります。私が行った時期のモンサンミッシェルは下の気温は10度以下、上は天候が悪い日はおそらく10度台、天候が良かった日は20度台でした(感覚で)。カメラを持って日中動き回ると結構汗ばみますし厚着はできない気温範囲。レインコートで防寒すれば荷物も軽いですし着脱・収納が楽で良いです。ちなみに私が行った時の服装は、上がアンダーシャツと長袖のポロシャツ、下はジーパンでちょうど良かったと感じました。朝はレインコートが加わりますが、グローブをいつもはめているためそれほど寒さは感じません。寒がりの人はこれにセーターぐらいを車に放り込んでおけば十分でしょう。
駐車事情
フランスの市街地では基本的にパーキングメーターによる縦列駐車の駐車場が多いように感じました(田舎だとパーキングメーターのない縦列駐車スペースがあります)。モンサンミッシェルはちゃんと施設に駐車場があります。駐車場の場所は、土手のような道の上とその脇の部分、陸地側の三カ所。あとは陸地側に1〜2キロ行った所にホテルが集中しており、車はホテルに置いて歩いて行くというのも選択肢にはあります。モンサンミッシェルは干満の激しい場所で、実はこのうち土手の脇にある駐車場は海中に沈む時間が存在しますので、駐車場入口にある満潮時刻の注意書きには気をつけてください。早朝に行けばそれほど混んでいませんので、土手の上にある沈まない駐車場に止められます。なおこれらの駐車場は有料です(4ユーロだったと思います)。早朝に行くと入口に誰もいませんのでタダです。島内の宿泊者の場合は、この土手の上で最も島に近い部分に専用の駐車スペースが用意されており、そちらに止められるようになっています。が、そのためだけに島内に泊まるのは料金が高いのでもったいないと私には思われます。モンサンミッシェルが美しいのは主に内部ではなく外からみた外観の方ですから。ただし、これはこの土手が壊されるまでの話。実は今、この土手を壊して橋を架ける計画があります。時期は流動的ですが早ければ2010年にも、un terrienさんの情報によると2015年にずれたとの話もあり、今後もどうなるか分かりません。インターネットで最新の情報をチェックしておく必要があります。なくなった場合どうなるのかですが、陸地側の駐車場に置いて、そこからシャトルが走る計画です。歩いてもたいした距離ではありません。
トイレ事情
トイレは風景写真を撮るものにとってもっとも切実な問題といえましょう。フランスの公衆トイレは多くの場合有料です。40セントが多かったです。レストランやカフェ、SAでは無料がほとんどですので、そういう時には確実に済ませておきたいところです。モンサンミッシェルには入口にインフォメーションがあり、そこに公衆トイレがあります(修道院の中は無料だったと思いますが上の方にしかなかったと記憶しています)。入口のは40セントです。ここは人がいるのでおつりがもらえ小銭を用意しておく必要がありませんが、他の場所ではコインを投入する場所もありますので、他にも寄るつもりでしたら常に20セント硬貨(40セントの場合)と10セント硬貨(30セントの場合)を持ち歩いておいた方が無難です。有料はともかく、公衆トイレの数は明らかに日本よりも少なく感じます。そういう時はカフェでも利用してください。数ユーロを払って何か飲んでも良いですし、(私は結局やりませんでしたが)通常40〜50セントぐらい払ってトイレだけ使う場合もあるとのことです。疲れますしカフェで休憩するのが良いかなと思います。
食事事情
フランスではディナーを食べる場合は、どこでも結構お金がかかります。税金が高いんです(約20%)。パンは安いですが、三食ともパンというのも味けないですしね(フランスのパン、特に温かいクロワッサンはおいしいですけれどね。最初にフランスに行った時には驚きました)。ディナーの場合、コース(MENU/「ムニ」)の場合は20〜30ユーロぐらい。単品は15ユーロ前後/品を見込んでおく必要があります。ディナーでは水道水(タダ)を頼むのは失礼とされますので、お酒を飲まない場合でもミネラルウォーターか何かということになりますが、だいたい500ml(50clとメニューには書かれています)で5ユーロぐらいは覚悟しておくべきでしょう。この辺にあるカジュアルな所はディナーで水道水を頼んで大丈夫そうな感じではありましたが。お酒はワインだと20ユーロ前後でボトル1本。ハウスワインだともう少し安いですが、せっかくフランスに来ているのですから、ボトルで飲みたいところ(ハウスワインがまずいというわけではなくて、あくまで気分の問題ですが)。それからこのモンサンミッシェルのある地域はワインが作れないためリンゴ酒の「シードル」というのを作っています。フランスであればどこでも飲めるお酒というわけでもありませんでしたので、旅の記念にぜひ頼みたいですね。重たい赤ワインが苦手という女性にも飲みやすいフルーティな味です。ちなみにレストランではなくカフェやパン屋でパンを食べる場合、クロワッサン程度であれば1ユーロ前後/個で予算を組んでおいて十分です。飲み物は自動販売機や普通の店頭で買うと500mlペットボトルで1.5〜2ユーロぐらいは普通にしますので、近くにあるスーパーで冷えていないのをまとめ買いしておくと良いでしょう。この時期であれば車に入れて一晩放置すればすっかり冷えています。スーパーは"Marche"と書いてある看板に注意して見てください。モンサンミッシェルから伸びる道上にも一件あります。
ちなみにランチの場合は水道水(タダ)を頼んでも失礼ではありません。ムニも15〜20ユーロで食べられることが多いです。もちろんカフェでパンを頼む方が安上がりですが。なお、このモンサンミッシェルでは「オムレツ」が名物とされていますが、別にモンサンミッシェルでなくとも大抵のレストランにはオムレツはあります(10〜15ユーロ程度)。あとクレープ屋がフランスには多いです(3〜5ユーロ程度/個)。島内にもありました。
国内でならば撮影旅行を繰り返している私は、たまにご飯にありつけないことを知っており、実はパンの缶詰を少し持っていきました。夜景の撮影をしていると夕食に間に合わないことがあり、今回もちゃんと役立ちました。遅くまで撮影する場合には何か車に置いておくと安心でしょう。フランスの日没は遅いので夜景は9時以降になります。
ホテル
HISとかでも頼めるとは思うのですが、今回フランス各地のホテルを手配したのは全部海外サイト。ここだとVenere.comで探して約4km離れた"Hotel Gue de Beauvoir"という所がツインで60ユーロで借りられました。一人あたりだと30ユーロ。結構安い方です。車の移動の場合は目的地に近いというのは重要ですが、それ以上に夜に車を置いて飲める所があるかどうかというのが観光気分には重要です。ここは近くにレストラン、ガソリンスタンドもあり便利でした。ただドアの鍵はぼろすぎるのでどうにかして欲しいと思います。ネズミ小僧が倉に盗みに入っているような単純な鍵です。しかもぼろいので合わせるのに時間がかかりまさにネズミ気分。フランスでは古い建物が多く安宿では決して珍しくはないのですが…。ところでご夫妻には困ったことで結構お世話になりました。タイヤの交換の仕方を教えてもらったり、レンタカー会社と修理依頼をするのにフランス語で代行してくれたり。安心して泊まれますのでオススメです。ユースでもないのにとにかく安いですし。住所は"5, route du Mont-Saint-Michel - 50170 Beauvoir"。先ほどのナビの入力方法だと、まずコード:50170を入れます。次にストリート名:montsaintmichelを入れ、最後に番地:5を入れればナビできます。もうナビを使うのに必要な情報はすっかり分かりましたね?印刷して持っていく時は必ずこのストリート名とできれば番地が必要です。
以上、何かご質問があればどうぞ。分かる範囲でお答えします。:-)
---- 2009/5/9 コメントに寄せられた情報より補足 ----
Chorlieさん:
ロータリーの脱出の際、目線のちょっと上くらいの高さにある「○○方面」という看板に従う、というのはいかがでしょうか? 地図に書かれている路線番号や、途中の大きな町の名前を覚えておくと、結構使えると思います。街から出たい時は"Tout Direction"という看板(スペルはちょっと自信ないですが・・・)があれば、それに従うと便利です。英語にすると"All Direction"という意味で、他の方向にはローカルな地名が書かれている中で「その他、全部」というわけで、幹線道路・高速に出ることが出来ます。
ガソリンは国によって、有鉛・無鉛の区別も必要なケースがあるので要注意です。レンタカーの鍵に燃料の種類が書かれていることが多いので、借りる時にチェックしましょう。
話はズレてしまいますが、イタリアで運転される方は、「ガソリン」と言うと「ディーゼル」の意味なので(!)気を付けて下さい。ガソリンは「ベンズィーナ」と言います。
今は季節がズレてしまいますが、この近くの Cancale という町に行くと、目の前の海で牡蠣が養殖されており、海岸で生牡蠣を食べられます。プラスチックのプレートに、一人では食べきれないほど山盛りの牡蠣が載っており、レモンをかけて食べるのですが、潮の香りがいっぱいの素朴な味です。
un terrienさん:
フランスの物価、特にレストラン等は大分高くなってしまいました。でも、TVA(税)は7月1日から19,6%から5,5%に下がります。それに伴って値段も下がればいいのですが。
クレープはブルターニュの特産で、ここの痩せた土地でも作れるそば粉を使ったギャレットという甘くないクレープは、重い食事で疲れた胃にはいいかも知れないですね。近くで獲れるホタテを入れたものなんかがあります。これは普通シードルで食べます。甘過ぎないブリュット(辛口?)の方をお薦めします。
それにChorlieさんのいうように、牡蛎は大お勧めです。 - comments(0), trackbacks(0), - -
にほんブログ村
- ハワイ#3 空撮による島の様子
- 2008.03.24 Monday
- category: 旅行ガイド
-
さて、長野の山中よりもさらにクリアなマウナケアの星空に興奮した私ですが、実は今回初めて空撮にも挑戦していました。空撮と言いましてもセスナではなくてヘリコプター。それも6人一組のツアーですけどね。「カメラ、カメラ。マドギワ、マドギワ。」と予約の時にダダをコネてみたら、マドギワ、それも前の視界が大きく開けた前列の席をゲットできました。撮影すると告げたのが大きかったようです。予約を取ってくれたお姉さん、ありがとうございました。気になるお値段ですがBlue Hawaiian Helicoptersという会社のヘリで$495かかりました。コースは2時間で島内1週です。もっと安いヘリ会社もありました。この会社を選んだのは急いでいたためすぐに連絡を取れるところを優先していたので偶然だったのですが、後でマウナケアに行った時のガイドに聞いた話では「落ちないヘリはここともう一社だけ。後は機材が古いから腕とは関係なく落ちる可能性がある」とのこと。実際、この間も落ちたばかりだと言っておりました。結構危険なんですね。これを読まれている皆様、ヘリご搭乗のおりは少々のお代をケチってはいけません!最新のヘリに搭乗しましょう。
島の西部にあるワイコロアのヘリポートからBlue Hawaiian Helicoptersは飛び立ちます。ワイコロア・ビーチからわずか2kmぐらいの所に会社保有のヘリポートがあるんです。そしていきなり上空を飛びます(笑)。日本語の説明書もおいてあり、英語がダメな人も大丈夫なようです。袋や鞄は機内に持ち込めないので、カメラだけ残してあとは全部預けることになります。ちなみに私は標準と望遠の2台のカメラを持ち込みました。しかし両方カバーしているレンズの方が良かったかもしれませんね。28-300mmとかの超ズームレンズを持っていたら良かったんですけどね。カメラの切り替えにタイムラグがあってシャッターチャンスを逃します。ところでヘリでの飛行はジェットコースターにびびる私も安心の安定感でした。爆音はパイロットからの通信用の密閉式ヘッドホンをさせられて分からなくなります。
ワイコロアに限らず、西部一帯は溶岩が露出したまま放置されています。東部は比較的降水量があり緑が豊かなのですが、 #1、#2でご紹介した島中央部にあるマウナケア山によって雲が遮られ、そこで乾燥した空気が西部に流れてくるため、植物の自生が極めて少なくて異様な光景が広がります。そんな溶岩の真ん中をつっきるようにハイウェイが整備されています。
島の中央部に向かっていくと徐々にですが、草の層に覆われた土地が現れ始めます。かつて流れた溶岩を長い時間をかけて元の姿に戻そうとしているようです。植物の復元の力には驚かされます。
東部に近づくに連れて下界の様子は一変します。雨が降る東部は緑が濃いです。ですが高い木は少なく、溶岩による土地の起伏以外にはこれといった特徴がない地面が続きます。
島の南東部にあるキラウェア火山は今も活動中です。火口からは噴煙があがり、曇りがちなこの島の上空でその雲と混じり合います。火口は一つだけではなく、大小あちこちに穴を開けています。噴火がやむと客足は遠のくそうで、ヘリ会社にとってはキラウェアの噴火は経営を左右する死活問題です。逆に私が訪れた時は活発に活動していたので大入り満員。すぐに予約が埋まって行き、当日になってから搭乗しようとした同行の方は断られました。
かつての火口跡
ハレマウマウ火口です。カルデラになっていて、深さ400m、直径900m。クレーターのようにえぐれた地面の中心にはかつての噴火口が見えます。地面に描かれた模様が面白いのですが、逆に生々しいということでもあります。ここにはトレイルも整備されていますので、地上からでも訪れることが可能です。ただし帰国後の2008/03/19にこの火口で小規模ながらガスによる爆発が起きました。溶岩の流出はなかったそうですが、付近への立ち入り禁止措置がとられた模様です。そういう場所ですのでくれぐれもご注意を。
これはそのキラウェア火山の溶岩流。粘性が高く非常にゆっくりと周囲を焼きながら流れて行きます。ところで、この辺りを望遠で撮影していて気がつきました。被写体(溶岩)に近づいたためなのですが、空撮では、「カメラブレ」「被写体ブレ」が起こりやすいんです。「カメラブレ」はヘリのエンジンによる揺れで起こります。「被写体ブレ」はヘリが動いていて被写体との距離や配置が変わるために相対的に被写体が流れたようになり起こります。 ISO400、F5.6近辺で撮影していましたが、なんとこの溶岩流の撮影ではシャッター速度が足りずにブレています。とても原寸ではお見せできるようなものではありません。アンシャープマスクを強めにかけてごまかしておりますが…隠しきれるものではありませんね。空撮では画質よりも確実に写っていることを優先しISO640〜800を標準とした方が良かったかな、と反省しています。
ヘリは機動力が高く、ある時溶岩に近寄ったかと思えば、次の瞬間には上空2000mぐらいまで上昇します。雲の中を通過したり、雲の上を泳ぐように飛びます。この感覚は面白いものです。ですが太陽が当たる部分、陰る部分と、撮影するには目まぐるしく変わる目前の状況に極めて俊敏に対応してフレーミングや露出を変えていく必要があり、撮影自体はとても忙しいものです。これが冒頭のレンズ2台ではなくて1台にすべきだったかも、という理由です。
東海岸の都市「ヒロ」に近づくと、太陽と雨に恵まれた東部では農業が盛んであることが上空からも見てとれます。雲が切れれば、青い空、青い海、緑の大地とコントラストが美しい場所です。
見えるのはヒロの入り江。いよいよヒロが近づいてきました。この島の中では緑が多い都市です。次に行く時にはヒロにも立ち寄ってみたいです。
2時間のコースでは、ヘリは一旦給油のためにヒロの空港に着陸します。その間10分ほど地上施設で休憩ができます。トイレもありますので、トイレが近い人も安心です。
雲の様子でコロコロと変わる光の加減により、時にはこんな光景に出会うことも。ですが露出補正を素早く行う必要があるので、こういう条件の撮影はなかなかに大変です。
空撮の良い所は、通常よりも俯瞰位置が高いところからの撮影となるので、地上からでは分からない特徴のある地形を写せるところにあると思います。この作品では日本のような複雑な海岸線を捉えてみました。東部から海岸沿いにワイピオ渓谷に接近した時に撮影したものです。右奥に見えるV字の地形はワイピオ渓谷の入り口です。
これは、トリミングしておふざけの作品に仕上げてありますが(笑)、地上からでは絶対に分からない地形です。ほぼ真上から見下ろして、陸上から海へと消えていく岩場で海の中に沈んでいる部分を切り取ったものです。上下で50mほどはある上に水中ですから地上からでは気づきようがありません。そういえば、ナスカの地上絵も飛行機によって発見されたものでしたね。
ワイピオ渓谷は、豊かな水と自然に恵まれ、300mの断崖に守られた場所です。かつてハワイの王達も休暇を楽しんだということです。ヘリの窓は大きく湾曲していて光の反射があちこちから起こります。おかげで装着していたPLフィルターは、そちらの映り込みを除去するために使わざるをえなくなりました。その結果…写真によってはコントラストの足りない写りになっています。この写真のRAW画像をソフトで開くと極めて極端なヒストグラムが現れます。他の部分には色情報が全くなく、現像でなんとか回復させました。空撮って色々考えなければいけないことがあって大変です。セスナだともう少し安定するので窓を開けられるのでしょうが、その代わり対流が凄そうです。空撮は思っていたより楽なものではありませんでした。
これが人を簡単には近づけさせない急峻な崖。ここに陸路で降りてくるのは容易ではないですね。オプショナル・ツアーもありますが、整備された道はないため、4WDの車でかなりのスリルを味わうことになるようです。
その最奥部にあるのがヒイラヴェ滝。落差は390mにも及びます。高さの割に横幅がないので撮影的には迫力にかけますけどね。
渓谷の最奥部から海岸の方向を俯瞰してみました。川が流れています。滝から続くものと思われます。この日2時間に渡って空中から島内を見ていたわけですが、川を見たのはここだけです。ただ東海岸には幾筋か滝を見ましたので、実際には他にも川が流れていたのかもしれませんけれど。この川のおかげか、この渓谷ではタロ芋やフルーツがたわたに実り、他所よりも肥えた野生のブタもいるそうです。今回は地上に降りてみなかったので、実際どうなのかは私は自分の目で見ていません。次回行く機会があれば、行ってみたい場所の一つです。
…さて、空撮のために要した料金の割には作品としてはあまり完成度の高いものが少なかったとも思いますが、島の様子は手に取るように分かるツアーでした。また乗ることができるのでしたら、ぜひまた次も乗って今度はもっと良い作品を残したいと思った初空撮でした。 - comments(2), trackbacks(0), - -
にほんブログ村
| 1/3pages | >>