指令!ノイズを消せ! | 風景写真家 落合勝博 ゆるブログ
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指令!ノイズを消せ!
category: 写真テクニック中級編
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    私がコダワッていることの一つにいかにノイズ感を無くすかというのがあります。「ノイズ」を無くすではなく「ノイズ感」を無くすと書いたのには意味がありますよ。その辺は後ほど。

    どんな作品にも大なり小なりノイズはあるものですが、長時間露光が多い私の作品においてはノイズは撮影時の露出問題と同じくらい深刻な問題となる場合があります。最近のカメラはかなり優秀になってきましたのでL版で焼いている限りは大抵問題ないことも多いですが。PX-5500で出力するA3ノビではさすがにちょっと…。

    ノイズ消去・軽減「灯影」先に公開したこの作品「灯影」でもISO400、4秒の高感度スローシャッターですから、当然ノイズがあります。その上、デジタル補正でかなり強調処理をしていますから、それがさらに目立ってしまうわけです。


    ノイズ消去・軽減、ムラこの作品はノイズ感をなくした後の状態ですし、リサイズしているからさっぱり分かりませんね。元の状態を示しておきましょう。今回の目標はこんなのを…


    ノイズ消去・軽減、ムラをなくすこんなのにすることです。まだよく分からないですか?そういう時は両方の画像をローカルに保存して、200%、300%にしてご覧ください。ビフォーで見られたムラが消えています。でもちょっと待ってください。拡大して見ると分かるのですが…逆にランダムノイズは増えていますね。これが最近取り入れている人間の知覚特性を利用したノイズ消去のマジックです。


    さて、まずはオーソドックスなノイズから。以下は全てPhotoshopの場合で話を進めます。

    ノイズ消去・軽減、高感度ノイズデジタル補正とは関係なくカメラが出力する画像にはノイズが載りますね。高感度(ISO400とか800とか)で撮影したり、長時間露光(数分とか)をしたりすると目立ってきます。
    あらためてノイズとは何でしょう?多くは周囲から突出した輝度やカラー情報を持つ部分がノイズと認識されます。
    ではそのノイズを消すとはどういうことなのでしょう?突出している情報が問題なのですから、基本的にはノイズを消すには周りの情報を使って輝度やカラー情報を平均化すればよいのです。
    ダストを消す「スポット修正」は周りに輝度やカラー情報を合わせることでゴミを消しています。ノイズを消すのはアレと基本的に違いはありませんが、画面に何百、何千、何万と存在する小さなゴミ(ノイズ)を消すのに手作業でこの動作を繰り返すのは相当に困難ですし疲れます。


    ノイズ消去・軽減、Photoshopのノイズ軽減画面そこでまとめて消去するために行うのが「ノイズを軽減」です。たいがいのノイズは「ノイズを軽減」で消去できます。「ノイズを軽減」にはいくつかのパラメータがあります。このうち重要なのは「強さ」と「カラーノイズを軽減」です。他は0のままで良いです。「強さ」は周囲のどの範囲までを対象に平均化するか、その範囲の広さを指定します。当然大きな数値の方が平均化される範囲が広くなる分、強力に除去できます。ですが、平均化するというのは実は「ぼかす」処理と同じようなことをしていますので、輪郭のあるものは、その輪郭があやふやになっていきます。ですから普通は強さ10なんていうパラメータは使いません。状況次第ですがせいぜい5か6ぐらいでしょうね。それでも消えないノイズは、シャープに残したい部分をマスク(=選択範囲外)してからかけましょう。私は「ノイズを軽減」である程度ノイズを平均化してから「アンシャープマスク」で輪郭の解像感を復元することが多いです。そのままの場合も多いですが。「アンシャープマスク」はうまく使えば細かなノイズを眠らせたまま輪郭強調できますので、この二つを組み合わせると結構強力です。できればCamera RAWの段階ではノイズ軽減はOFFにしておきたいですね。Camera RAWではぼかす量の効果が視認できませんので適当にぼかされて現像を自分でコントロールできません。
    もう一つの「カラーノイズを軽減」はRGBのカラー情報が周囲から突出しているザラザラした画面に有効なパラメータです。同じく高感度・長時間露光で発生しやすくなります。こちらはカラー情報の問題ですので、「色」を周囲となじませます。でも色を周囲となじませるということは全体に「彩度を落とす」(くすませる)ということと変わりません。使う場合には35%程度を上限にしています。それ以上必要な状況(例えば50%)では色落ちが激しくなりますので、最近は他の方法で対処しています。


    ノイズを消すとは言っても、実は他の問題にすり替えてごまかしているだけだということがお分かりいただけましたでしょうか。ごまかすということは「人間に認知されない状態」にするということです。ということは他にも方法がありそうですよね?

    ノイズ消去・軽減、「共鳴」ハワイ島まずもっとも効果が高い所から。夜景ではカラーノイズが多く発生します。カラーノイズでもっとも気になるのは何色ですか?私は「赤」です。撮影時にも現像時にもホワイトバランスというのがありますね。低い数値にすると青みがかり、高い数値にすると赤みがかります。あれ?気になるのは赤ですよね?でしたら、青みがかる数値になるようなホワイトバランスで撮影したり現像したりすれば良いのですね。画面が青くなりますので適用できるシーンは限られますが、例えばこの作品「共鳴」はこの方法でノイズ感を減らしています。


    ノイズ消去・軽減「驟雨」私がこの半年ほどよく使用する方法の一つに、「ぼかし」と「比較(明)」を使用するノイズ平均化があります。例えばこの作品「驟雨(しゅうう)」もこの方法で多くのノイズをごまかしています(他にもホワイトバランスでごまかしてもいます)。方法は簡単です。レイヤーをコピーします。コピーレイヤーに軽〜く「ぼかし」をかけます。その後、レイヤーの重ね方から「比較(明)」を選ぶだけです。これで周囲よりも暗いノイズが消えます。この方法の問題点は明るいノイズは残るということと、輪郭が甘くなることです。ですが、「芯」が残りますので、シャープ感が完全になくなるわけではありません。被写体は選びますが、それは全てのノイズ軽減方法に言えることです。適切なノイズ軽減を図ることが重要です。


    ノイズ消去・軽減「異世界への扉」富士山さて、では色を変えずに細かな点を残したい場合にはどうするか?ということで年末に悩んでいました。既存の方法は細かな点を消すことに力点を置いているためです。そこで原点に立ち返り何か参考になることがないかとPhotoshopを使ったレタッチの教科書を読んでいました。すると…使えそうなことがありました。RGBのチャンネルを使ってマスクする方法が記載されていたのですが、アルファチャンネルとして選択に用いるのに適切な濃淡を持ったチャンネルが存在するというものでした。「え?チャンネル毎にそんなに違うの?」と驚きました。さっそくノイズ処理に困っていた画像を開いてチャンネル毎に見てみました。「あれ?チャンネル毎にこんなにノイズ感が違うんだ。」私には衝撃でした。もうお分かりですね?RGBカラー全体に対してノイズ軽減するから輝度やカラー情報が完全に消滅するのです。特にひどいチャンネルだけに実行すれば他のチャンネルには影響しません。これがこの作品「異世界への扉」で試したノイズ軽減の方法でした。結果はご覧いただいた通りです。元の画像ですか?とてもヒドイもので作品化を当初あきらめていたぐらいです。:-o この方法の欠点は偽色が発生する可能性が高まることです。どの方法も万能ではありません。


    ノイズ消去・軽減「オリオン座大星雲」今回の本題?です。それでも残るノイズがあります。それが冒頭の「ムラ」です。この問題に対しては私もずっと悩み続けていましたが、ふとしたことで解決しました。それがこの写真の現像においてです。この写真の現像にはダークフレームを使って丁寧にノイズ除去をしていますが、カラー情報に乏しく、星雲のカラーを引き出すには彩度強調をするしかありません。ところが彩度強調するとカラーノイズが強まります。これに対しては、輝度とカラー情報をレイヤーとして分離して現像することにしました。輝度レイヤーである程度のトーンカーブを作って明暗の階調を作ります。一方カラーレイヤーは思い切り彩度強調をして輝度は気にしません。これらをレイヤーの重ね合わせ方でそれぞれ「輝度」と「カラー」を選べば良いのです。これで彩度強調とノイズ感の無さを両立できました。:-)
    ところがです。最後の最後に落とし穴が待っていました。あまりにもノイズがなさすぎたため、星雲を取り囲む明かりが漆黒に溶けていくグラデーションにおいて、その階調の差が境界として見えてしまったのです!う〜ん、これは新展開でした。ノイズがないことがアダとなるなんて…。それを解決するために行ったのが「ノイズを加える」という処理です。今まで何のためにあるのか分からなかった不思議機能でしたが、カラーノイズをあえて加えることで、輝度やカラーが見かけ上平均化され、境界が「認知上は」にじんで目立たなくなりました。


    ノイズ消去・軽減「灯影」この方法を「灯影(ほかげ)」でも使用しました。この作品ではS/N比が低い低コントラストな状態の画像が出発点でしたので、トーンカーブで輝度とカラーを整えていくとノイズが目立ってきました。そこで空や雪の部分をぼかしてノイズ軽減したのですが、その結果ムラが残りました。今回は、ここで輪郭をマスクしてややぼかした上で、さらにノイズを加えて輝度差・カラー差を減らしています。ノイズを消すのにノイズを使うのです!公開作品はリサイズしており元々分かりにくいとはいえムラが消えていますね。


    今回は「木を隠すには森の中」というオチでした。:-o
    人間の認知って面白いですね。:-)

    マジメなところ、どこまで現像で救えるかを知っておくと、撮影段階でどこまで無茶ができるかがハッキリと分かるため露出決めの自信につながります。そして現像技術が進歩するにつれて、さらに撮影時に無茶ができることになります。すると、いままでは作品化をあきらめていたようなことも写せるようになるのです。現像技術を磨くことをおろそかにはできない理由の一つです。:-)
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