星の撮影と現像の一考察 | 風景写真家 落合勝博 ゆるブログ
<< ハワイ#1 星空の聖地 | main | ハワイ#2 雪積もる山 >>
星の撮影と現像の一考察
category: 写真テクニック中級編
0
    今日は、星景写真の撮影方法、そしてそれを現像する方法について、まだ途中ではございますが現時点での研究成果を発表することにいたします。先頃satotakaさんがグループ「星景写真」を作ってくださいましたし、私自身、夜の作品が増え星空を作品に取り入れることが多いので研究を重ねていた時期でもありました。また他の方の作品コメントを見ていて苦悩や私への質問が比較的多い点だったからでもあります。では早速始めましょう。

    星景写真とその難しさ、解決方法
    そもそも「星景写真」とは何かというと、星と地上風景を一緒に撮影する写真のことです。
    星景写真はなぜ難しいのでしょうか、どうすれば撮れるのでしょうか、順を追ってご説明いたします。

    課題1.必要な装備と写し方

    星を撮るためには、というか風景写真をちゃんとやるためにはカメラブレ、シャッターブレというものは完全に排除する必要があります。そのために最低限用意するものは、足がしっかりとしたできるだけ重い三脚とレリーズです。これだけは装備として持ち歩くしかありません。風景写真に必要な装備と一緒なので特に用意のいらない人も多いと思います。私は背中のザックにカメラやレンズと一緒に入れて持って歩くことが多いので携帯性とのバランスを取って、ベルボン社のNeo Carmagne 740GEというカーボン製三脚を使っています。この三脚は本体が2.79kg、最大積載カメラ質量7kgで、高さも、携帯性もあり使いやすいです。これにクイックシューに対応した雲台を取り付けて使用しています。自由雲台は水平を取りにくい構造をしているので普通のレバー式のものを用意してください。レリーズは本格的にやりたいのでしたらタイマー付きのものをお勧めします。あとはできれば明るいレンズですね。私の場合はEF24mmF1.4L USMを多用しています。24mmという広角は星空を大きく取り入れるのに有利です。流れ星が入る確率も上がります。それに私24mmという画角が好きですしね(笑)。F1.4はF2.8のレンズと比べて、同じシャッター速度の時で4倍の光を集めることができるとても明るいレンズです。F値の差による光を集められる量の差は次の通りです。F1.4を基準とするとF5.6のレンズとは実に16倍も集められる光の量が違うんです。

    F1.4 = F2の2倍 = F2.8の4倍 = F4の8倍 = F5.6の16倍 = F8の32倍

    ついでなので、他のパラメータの違いによる集められる光の量についても示します。

    ISO1600 = ISO800の2倍 = ISO400の4倍 = ISO200の8倍 = ISO100の16倍

    640秒 = 320秒の2倍 = 160秒の4倍 = 80秒の8倍 = 40秒の16倍 = 20秒の32倍

    このようにF値の差は結構効いてくるものなんです。でもレンズにお金をかけられないから星空が撮れないとあきらめないでください。そういうレンズで撮れる星景写真があります。つまり、望遠で富士山の山頂を狙うような感じで(あくまで例ですよ)、何十分も露光して星を棒のように流すタイプの写真です。そういう写真では暗いレンズと明るいレンズの間に違いはありません。露光時間が長くなると集める光の量が格段に増えますから(上の式を参照)、明るいレンズでも空が白くならないようにするためには十分に絞る必要があるのです。ただそれでも開放f値が明るいレンズではファインダーに見える像が明るいので構図を決める際に何かの助けになることがあります(ならないことも多いです)。
    昼間は大活躍のPLフィルターは夜の撮影では暗くなるだけのお荷物なので、絶対に外しておいてください。
    それから水平をちゃんと出すために水準器がある方が良いです。カメラ用の水準器はストロボを取り付ける金具の部分に装着できるものが売っていますのでそれを利用します。ケチらないで水平と垂直の両方がついたものを買った方がカメラを立てた時にも使えますので便利です。水平をちゃんと取らないと、微妙に斜めになった「気になる」作品ができてしまいます。水平線や地平線が写っていなくても「何となく違和感がある」作品になることがあるので使った方が良いですよ。
    そして最後は、シャッターブレの防止です。シャッターが上下する時にパタン、パタンって音がしますよね。シャッターブレというのは、あの音を発生させているシャッターが動く振動のことです。スローシャッターの世界ではこんな振動も拾ってしまいますので、カメラ本体の設定で「ミラーアップ」を「する」にしてください。すると1回目のシャッターでミラーがあがります。しばらくして揺れが収まったらもう一度シャッターを切ると、やっと1枚写します。揺れは水準器の中の気泡が揺れていないかどうかで分かりますので、そちらで確認してください。ない場合には一呼吸(3秒くらい)すればだいたい収まります。でも人気の場所で撮影する場合には、他の人の歩いた振動を拾っている時があるので、水準器を見る癖をつけた方が良いです。この設定はマクロ撮影の基本でもあります。ただ開きっぱなしにしておくとセンサーに良くないので、使わない時は閉じておいてください。最近のカメラに搭載されているライブビュー機能はシャッターミラーを上げた状態ですので、そのままシャッターを切れば大丈夫です。なお、シャッターはレリーズ(リモコン)で行ってください。シャッターを押す指でカメラブレが起きてしまい全て台無しになってしまいます。

    課題2.適正露出の難しさ

    星を撮影するのですから、撮影時間は当然、夜間ということになります。すると、まず最初の壁があります。夜景を奇麗に撮るにはどうしたら良いか?実はこれは簡単です。やってみればいいんです。やってみて、何も写ってなかったら、ガシガシISO感度を上げて、絞りを開放にして、露光時間を長くして…とやればいいんです。とはいえ、何のデータもない状態から初めてちゃんと写るようになるまでには時間がかかりますね。私の中では24mmを使う時の初期値は、ISO640、F2、25秒です。

    感度ISO640は他のパラメータで補えない場合に上げることになります。つまりF2.8のレンズしか持っていないのでしたらISO感度を2倍にする必要がありISO1250まで上げなければいけません。人工の光が全くない暗い空の場合にはf値はそのままでISO1600まで段階的に上げてみても良いです。その方がたくさん星が写ります。でもISOを上げるとノイズもたくさん写りますし地上の人工光が飛びまくります(もしあれば)。このパラメータは、空の明るさとカメラの性能に寄りますのでご自分のカメラでの実用最大感度を自分の手で確認してください。ノイズは現像で救う方法があります(後述)。私はノイズと光量のバランスでISO640〜800を推奨します。

    F2の絞りはもっと星を多く写したい時には開けてF1.4開放まで使うこともあります。ではなぜISO感度を上げてノイズを載せてまでF1.4ではなく光量が1/2になるF2にするかというと、レンズの設計の問題を回避するためです。F1.4やF1.8のようにとても明るくて広角なレンズの多くはレンズ周辺部の設計に無理があって、開放で使うと点光源がレンズ円周方向に流れるんですよ。そもそもレンズは丸いのに、センサーは長方形ですよね。すると長方形の四隅は丸いレンズのほぼ端いっぱいの部分を使うことになります。他の部分はレンズの真ん中あたりを使っているだけなので問題ないのですが、このレンズの端は少し歪んでいるので像が歪むんです。ですが、ご安心ください。2絞り以上絞れば大体この問題は目立たなくなっていきます。じゃあ最初からF2のレンズでいいじゃん!というあなた、そういうレンズも同じく絞らなければいけないのでF2.8にして使ったら暗くなっちゃうんですよ。:-p なお、フルサイズ用のレンズをAPS-Cのセンサーで使う場合には元々レンズの真ん中しか使っていませんからこういう問題は起きません。APS-C用のレンズを使う場合には、この問題と同じことが起きますのでご注意を。
    そうは言っても、星をちょっとでも多く写したいという場合には、それを覚悟で開くしかありません。実際私もそうして撮った作品があります(後述)。

    露光時間25秒というのは、星を静止させて撮る場合には、実はちょっと無理をしているパラメータです。普通は20秒を目安としてください。これ以上長くすると星が流れてしまい、棒状に写ります。私はそれを覚悟で1/3段分の光を余計に集めているんです。なお20秒は24mmの場合です。お使いのレンズがこれより長い焦点距離の場合には、もっと短い露出時間にしないと流れて見えます。50mmを超えるレンズでは止めるのはあきらめた方が良いです。軌跡を流した写真に目標を切り替えましょう。

    星の撮影と現像方法、まどろみ、富士山これが一応静止タイプのお手本となる作品です。パラメータは、ISO640、F2、25秒です。ただこれでも周辺はやや流れています。もうこれはレンズの特性なので「味」として理解するしかないですね。このレンズではこれが限界です。地上が明るいのでISOはこれ以上は上げられませんでした。


    星の撮影と現像方法、共鳴、溶岩、ハワイ島この作品ではF値に対してお手本よりもかなり無理をしています。パラメータは、ISO800、F1.4、25秒です。周辺の星が円周方向に流れているのがよく見ると分かります。周辺の歪みも大きいですが、ここまで開くとレンズには周辺光量落ちという別の問題がありますので、それを利用して目立たなくしました。つまり人間の目線が行きやすい明るい中央部に主要な被写体を集めて、周囲にまでは気が回らないように「日の丸」構図に近い構図にすることで視覚的なトリックをしかけてあります。これを読んで初めて周囲にまで目を向けた方もいらっしゃるかもしれませんね。言わなければバレなかったかしら。:-p


    星の撮影と現像方法、名残り火、ハワイ島「共鳴」よりもさらに無理をして感度まで上げて撮っています。空が暗いので大丈夫かなと思って。そして思った通り大丈夫でした。パラメータは、ISO1600、F1.4、25秒です。周辺は…意外と目立ちませんね。私にも不思議です。


    星の撮影と現像方法、うつろう時の狭間で、星の軌跡、橋杭岩露光時間を長く取った作品です。星を軌跡として流しています。パラメータは、ISO100、F8、1067秒です。なお上記作品に共通ですがホワイトバランスは「蛍光灯」(カメラによっては「白色蛍光灯」とも)で撮っています。だいたい3700K〜4200Kぐらいです。作品の内容によって上下させます。私は事実よりも願望を優先して表現しているので、こんな色温度を好みます。写実性にこだわる場合は4700K〜5200Kの間で撮られた方が良いでしょうね。でも、それだって「見た」色か?と言われるとそもそも長時間露光でやっと写るものですしねぇ。見た?う〜ん?? :-p


    課題3.見えない構図の決定とピントの合わせ方

    人工の光が見えている場合には、見えている光から相対的にどのあたりを下限や左右にするか、肉眼で目標を定めます。そして、その光を頼りにフレーミングします。一発では決まらないと思うので、最初は適当でもいいです。それで一回シャッターを切ってみます。その時、ピントはAFは効かない状況なので当然MFにします。距離は「無限」の記号に合わせます。長時間露光なのでだいたいあってれば結構写るのですが、強い人工光が100m以上先にファインダーで見える場合には、その光がもっとも収束するピントを探る方法もあります。私の研究成果では、地上部の目立つ部分にピントが来るようにした方が、本当の意味での無限遠よりも作品にシャープさがあるように思います(他の人も同じに感じるかどうかは保証できかねます。試してから判断してください)。ライブビューがある場合には、背面で拡大して同じく光が収束するピントを探します。それで一回切った結果を見て、上下左右を勘で調整していきます(いいかげん?だって見えないんだもん、しょうがないじゃん)。この時フレーミングを変える度に水準器で水平を取ることを忘れないでください。正確には本番の一回だけで良いのですがそれを期待すると往々にして忘れます。:-p
    人工の光が期待できない場合には、肉眼で見える地上と空との境界を頼りにおおよそ写すフレーミングを決めます。次にレンズの真後ろから見て、レンズがどこを向いているか確認して向きを調整します。上下の向きは真横に回って、レンズがどこを向いているか確認して調整します。懐中電灯が必要なことが多いので、常に携帯するよう心がけてください。歩く時に先を照らすためのヘッドライト型のLEDと手元用のペン型のものと2種類のLEDを持つと便利ですよ。他にも人がいる場所で撮る時には、光がレンズの前を横切らないように手でフードを作って下向きに使うよう心がけてくださいね。写っちゃいますから。

    星の撮影と現像方法、夕方の彼方に、志賀高原人工の光が期待できない場合でも、近くにある木とかを前景とする場合には、そちらにLEDの光を向けて、照らされた物体を基準にファインダーで位置を決めることができます。これはそうやって位置決めした作品です。作品自体は星を写した初めての日のものですのでまだまだですけど、こういう状況では役に立つというご紹介です。:-) パラメータはISO800、F1.4、30秒、ホワイトバランスは太陽光です。パラメータからして研究が足りてませんね。:-p


    課題4.構図のバランス

    どんな構図が良いか、決まりはありません。それは日中の風景写真と同じです。でもせっかく星空を入れるなら、空は多めに入れたいですね。一方で、空ばかりでは天体写真になってしまいますから、地上にも魅力的な被写体を選びたいところです。「まどろみ」の場合は富士と雲海と町並みを、「共鳴」の場合は溶岩が映った雲海を地上部分の被写体として選びました。地上に特徴のあるものを入れることで天体写真との違いが出ます。それが星景写真です。なんなら人家でもいいかもしれませんよ。ただし光っていない人家を選んでくださいね。白飛びします。

    課題5.どこで撮るのか?明るい空と街灯り


    基本的に町中での撮影は避けるのが無難です。人家から遠く離れた山中の尾根とか、丘の上とか、そういう所が暗くて良いです。いまさら言うまでもないと思うのですが、暗い方が星はたくさん見えます。月も要注意です。新月か新月に近い弱い光の日に撮影した方が全体的には良くなることが多いです。ただ月明かりで地上が照らされた雰囲気をうまく活かせると作品性が高まることがあります。「まどろみ」はかなり明るい状況での撮影でしたが(足下が見えました)そういう状況を活かせました。「共鳴」は天文台「すばる」がある山の中腹です。真っ暗ですね。新月でしたし。

    課題6.いつ撮るのか

    何時に撮影すれば良いのかと言えば、夜明け前の3時くらいから撮影を始めるのが良いと思います。そのまま朝の撮影もできますし、一石二鳥を狙えます。夏場は夜明けが早いので、2時くらいからが良いのではないでしょうか。時期的には空気の透明度からして冬場が最適ですよ。それから夕方過ぎの夜だと生活の灯りが多くて街の方向の空が光ったままです。朝は寝てますからね。ただ夕方過ぎでも、うまく活かすチャンスがあるかもしれません。

    星の撮影と現像方法、街が生んだ宇宙(そら)夕方後の夜に撮ったのですが、雲海が街を覆ったので直射光がなくなりました。おかげで被写体にすることができたわけです。星が街から飛び出てくるような効果を狙いました。パラメータは、ISO100、F1.4、480秒、ホワイトバランスは太陽光です。先ほどのと同じ旅行での撮影ですが、後半なので少し慣れてきていますね。でもまだ結果に対する分析が足りていません。分析は帰ってからしましたもので。:-p


    課題7.星の現像方法−星を目立たせるための工夫、あれこれ

    星景写真の現像で好ましい結果を得るためには、日中に写す普通の風景写真とは異なる方法で現像するのが良いように思います。星に限らず、私が現像で気にしているのは、ノイズ感がないことです。それを味だと言う人もいますが私は自分が制作する作品に関してはその意見には賛同できません。できませんのでコメントで反論しないでください。:-p 星景写真はこのノイズが最大の敵だと思います。というのは、そもそも感度を上げて撮影しているのでノイズが目立たないとはいえ暗部には結構あります。星の部分は少しでも明るく見せるためにトーンカーブで持ち上げるわけですが、星の光は結構暗いのでそのノイズが乗った暗部も一緒に引き上げられて白日の下にさらされます。これが1点目の難しさです。これはいくつか解決する方法を見つけたのですが、最近気に入っているのが、レイヤーとぼかし(ガウス)を使った方法です。「まどろみ」の頃はまだこの技術をもっておらず「共鳴」はコンテストに応募する関係であまりレタッチっぽいことを増やしたくなかったのでこの技を使っていません。今のところ応募予定のない「名残り火」や「過日の空」で使っています。
    2点目は、星を強調するためにアンシャープマスクを強くかけると、地上部や雲の境界のエッジが目立ちすぎて不自然な作品になってしまいます。わざと後述の星空用のパラメータを全体にかけてみてください。見る影もなくなります。しかし、アンシャープマスクを強くかけたい部分(星空)と普通にかけたい部分(地上部等)をあらかじめ範囲選択やレイヤー等で分離しておくことで、別々のパラメータでアンシャープマスクをかければいいんですよ。気づけば簡単なことでした。「共鳴」のコメント欄で気にしていたのはこちらの技法の適用の有無です。この作品では選択範囲ではなくレイヤーを使用しています。
    ハワイ行きの前にリメイク版の「夜はまだ終わらない」で何をテストしていたのかはこれらの技術の効果です。おかげで以前よりも高感度のISO800〜1600で安心して撮影してくることができました。

    星の撮影と現像方法、夜はまだ終わらない、志賀高原、月以前のバージョンに比べると明らかに奇麗になりました。その手順を明かします。

    1.RAW現像の段階で、明度と自然な彩度を使って全体の調子を決定します。この後の手順は全てレタッチです。
    2.トーンカーブで中間からハイライトにかけて思い切って持ち上げます。ただしハイライトは白飛びが激しくならないように気をつけます。また暗部のカーブが持ち上がると眠たい写真になるため、コントラストを残すために暗部が持ち上がらないようにアンカーをカーブの左端の暗い部分に打って固定しておきます。そちらは少し下げるくらいの気持ちでやります。
    3.持ち上げた中間調の部分が荒れるので、デノイズでシャープさが残る程度にノイズを除去します。
    4.レイヤーをコピーします(上に来た新しいレイヤーをコピーレイヤーと呼ぶことにします)。
    5.コピーレイヤーの下のレイヤーとのレイヤーの重ね方(レイヤー操作)を比較(明)に変更します。
    6.背景レイヤーにぼかし(ガウス)を適用します。パラメータは4.5。この操作によって拡散系フィルターを使ったように星の周囲がにじんだ画像を得ます。星を目立たせるために必要です。そして、なんとノイズ除去にもこの周囲と平均化されたデータが効くんです。さらに!後のアンシャープマスクの副作用を消すためにも有効です。
    7.マスクで雲と地上部を抽出。マスク範囲は主に自動選択ツールとマスクのブラシで作っていきます。後のアンシャープマスクをかけ分けるのに必要なんです。星以外でエッジが強く出る境界を持つものがこの範囲に残ってしまうとエッジが気持ち悪いくらいに出てしまい不自然になります。必要に応じて丁寧にマスクしてください。
    8.星が含まれる空のマスク選択範囲をアンシャープマスクをかなり強めにかけます(量200、半径6.3、2ピクセル以上適用)。こうするとエッジの周りが黒くへこんだようになります。ところが6で作ったぼかしとの比較(明)でこの黒いへこみを帳消しにできます。一石二鳥なんです。
    9.そして選択範囲を反転して雲と地上にアンシャープマスクを普通にかけます(量140、半径0.7、4ピクセル以上)。かけわけないと、エッジが目立ちすぎます。一度わざと失敗してみてください。効果の差が分かります。
    10.レイヤー結合
    11.レベル補正(0.97)して終わりです。最後のこの操作で残ったノイズを目立たなくします。料理のスパイスのようなものです。他の作品ではやっていないためか他は艶がないですよね。この操作があるかないかの差があったのかもしれません。


    なお以上の操作はEOS-5Dが作ったオリジナルのサイズ(1280万画素)の画像に対してのパラメータです。小さい画像に対して同じパラメータでアンシャープマスクをかけると、画像が荒れますので適度に数値を落としてください。また、「名残り火」ではアンシャープマスクのパラメータは(量180、半径4.1、2ピクセル以上適用)にしてあります。パラメータはカメラや作品毎に見極める必要があるということですね。強い補正は副作用も大きいので、調整を怠らないようにしてください。

    以上、星景写真に必要な技術について簡単(?)ではありますが、現在までの途中成果をかいつまんでご説明してみました。これから星景写真にチャレンジする方、既にチャレンジしている方の参考になれば嬉しいです。
    最後に、私から一つの言葉をお贈りします。「夢のある作品を目指しましょう。」
    宇宙の深淵を覗き見ることは遠い過去から人類の夢でした。あなたはその夢の象徴を写そうとしているのです。せいぜい夢のある作品を創ろうではありませんか!

    もちろん、これで全てを出し尽くしたわけではございません。まだ書いていないことがあるのに既に気づいています。ご質問にも可能な限りお答えするつもりです。他に、私はこうしている!というご意見もいただけたら、私も勉強になります。皆で知識を共有してより良い作品を創ろうではありませんか。

    …書き終わってみれば制作10時間超の過去最長ノートになってしまいました。
    長々とお読み下さりありがとうございました。(ペコ)

    (2009/1/27追記) 無限遠にピントを合わせる方法は理論的には「過焦点距離」というものを計算すれば正確に出せるようです。計算式は「過焦点距離=レンズの焦点距離×レンズの焦点距離÷要求される像直径÷レンズF値」です。簡単のために以下に計算結果のコピーを貼っておきます。
    F1.2の時、19m(20mm)、42m(30mm)、116m(50mm)、335m(85mm)。
    F1.8の時、13m(20mm)、28m(30mm)、77m(50mm)、223m(85mm)。
    F2.8の時、8m(20mm)、18m(30mm)、50m(50mm)、144m(85mm)。
    F4.0の時、6m(20mm)、13m(30mm)、35m(50mm)、100m(85mm)。
    F5.6の時、4m(20mm)、9m(30mm)、25m(50mm)、72m(85mm)。
    少しだけ大きめな星を目安に計算していますので、実際にはこの2〜3倍程度を目安にされると安心かと。経験則の100m以上にピントを合わせるって結構良い値でしたね…。:-o

    ---- 追記 ----
    後日投稿した「その時ドースル?星編」もあわせてお読みください。



    comments(0), trackbacks(0), - -
    人気ブログランキング 風景・自然写真へ

    にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
    にほんブログ村

    Comment.
    Add a comment.
    name:

    email:

    url:



    Trackback.
    url:
    New Entry.
    Category.
    Archives.
    Comment.

    pho10.comトップページに戻る
    ブログ内を検索
    プロフィール
    落合勝博(おちあいかつひろ)
     ー 横浜市在住のアマチュア風景写真家
    カレンダー
    SMTWTFS
       1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031 
    << July 2020 >>

    最新のブログに移動
    新着写真(壁紙)
    (解説付き)これだけあれば何でも写せる!
    お約束 (^_^;) amazonからの関連CM
    このブログの過去記事
    その他
    無料ブログ作成サービス JUGEM