PLフィルターの正しい使い方 | 風景写真家 落合勝博 ゆるブログ
<< ミニ三脚で(野鳥撮影時の)手ぶれを防ぐ方法 | main | 撮影不適の焦燥感をもって伊豆・ 河津七滝を巡った日 >>
PLフィルターの正しい使い方
category: 写真テクニック初級編
0
    風景写真を撮る上で必須のフィルターの一番はなんと言ってもPLフィルターでしょう。

    それゆえに、せっかく出会った素晴らしい風景を生かすも殺すもPLフィルターの使い方次第とも言えます。

    PLフィルターとは何か?ということを一言で表現するならば「反射光の量を思い通りにコントロールするフィルター」です。決して「反射光を取り除くフィルター」ではありません。これが初心者に誤解されやすい点です。

    ちなみに、ここでPLフィルターと言う場合は、AF対応のCPL(円偏光)フィルターのことを指します。PLフィルターは、二層構造になっていて、前面部分をくるくる回すとその回した角度によって、0%から100%まで反射光を取り除く量が変化するように設計されています。ちなみに効果100%だとしても、実際にその光をどのくらい取れるかは反射角によります。基本的には順光撮影時の光を取るものだと考えてください。

    この取り除く量が多いほど、被写体の表面に映り込んでいる外部の光量が減るため、被写体本来の色彩が現れることになります。多くの風景写真家がPLフィルターを好んで使う理由は、赤い花、緑の葉、青い海や空など、被写体が持つ本来の色彩を写真に記録して風景を色鮮やかに仕上げられるためです。

    では、いつでも反射光を100%取り除けば「良い表現」ができるのかと言うと答えは「ノー」です。

    そのノーの条件にはいくつかの決まったパターンがありますので順に覚えておきましょう。

    1つめは、川の写真を撮る時。

    PLフィルターの使い方、水面、川川が最も面倒な使い方になるので、、、面倒なものは最初に片付けてしまいましょう。川を写す場合に、反射するものは3つあります。それは、葉、水面、岩です。

    葉は鮮やかにしたいことが多いので光を除去しても大抵は問題ありません。ですので、ここはさらっと流しておきます。

    次の水面は、色を出したいだけならば完全に除去しても良いですが、流れが穏やかな場合、完全に除去すると白っぽい部分がなくなるために「流れている」ことが分からなくなります。そんな時は0%から100%の間のどこが「流れている」ことが表現できて、しかも色も出せているかを、フィルターをくるくる回しながら探すことになります。日中の撮影で直射光になってしまうと滝壺などは白く飛んでしまうので、この反射率との兼ね合いも結構面倒です。その面倒をひとつ減らすために、僕はできるだけ太陽光が直接差さない朝か夕方に写すことが多いです。

    最後の岩も少し面倒です。完全に除去すると真っ黒になってしまい「色気」がなくなります。これは僕の美的感覚なので少し伝えにくいのですが、「僕は」岩という被写体は少し濡れているように表現されている方が色気があって美しいと感じます。ですので、岩の反射光を完全除去するとこの濡れている感じがなくなってしまい、色気が感じられなくなります。そこで岩も0%から100%の間で適切に除去する量を探しますが、多くの場合は、反射光の80から90%を除去すると「いい感じ」になるように思います。この辺は個人の美的感覚が関わってくるので誰でもそうすべきかは正直分かりません。

    実際には、これらの葉の色彩、水の流れ、岩の色気の3つのバランスを取れるように撮影します。
    これらの要素のそれぞれに気を遣っているかどうかで初心者かどうかが(構図以外のことでも)写真を見て分かるのです。


    2つめは、水面やガラスへの映り込みを撮る時。

    PLフィルターの使い方、川、ガラス、映り込み水面やガラスに投影された被写体を撮る場合には、PLフィルターを強めに使うと反射光が除去されてしまい、被写体の映り込みも消えてしまいます。こういう時は、PLフィルターを使わないか、使っても弱く効果をかける必要があります。
    逆に、ガラスに写った自分の姿や室内の光を除去したい時にはPLフィルターを強めにかけると、だいぶ弱まります。


    3つめは、逆光で撮る時。

    PLフィルターの使い方、逆光逆光では、シルエットだったり光の反射そのものを撮ったりすることになるため、PLフィルターの効果を弱め、もしくは外した方が明暗で表現されたコントラストの高い美しい写真になることが多いです。逆光ではPLフィルターの効果を感じにくい時も多いですしね。ただ、夕景などで弱い光を撮る時には、人工物だけやたらと光ってしまうなどの場合もあります。そんな時は人工物の反射部分をPLフィルターで除去するのもありですね。


    4つめは、夜景を撮る時。

    PLフィルターの使い方、夜景夜景は、基本的に光そのものを撮影するので、反射光を除去すると華やかさの足りない「ショボイ」写真になります。PLフィルターをつけていると、たとえ除去0%でも、何もつけていない状態より1〜2段も暗くなるので、撮影時間短縮のためにも、夜景撮影では外しておいた方が良いでしょう。


    5つめは、虹を撮る時。

    PLフィルターの使い方、虹あまり遭遇する機会はないと思うのですが、運良く虹に出会えた時は、PLフィルターの角度を慎重に選ばないと虹の光が弱まってキレイに写りません。時間もなく迷ったら、PLフィルターを外すのも選択肢の一つです。


    6つめは、霧や雨の中で撮る時。

    PLフィルターの使い方、霧、雨霧や雨での撮影は、もともと色彩が乏しい世界なのと、そもそも強い光がないため除去すべき反射光が存在しないことが多いです。こんな時はPLフィルターの効果を弱めておくか、最初から外して、代わりに撥水加工のUVフィルターをつけておくようにします。


    ちなみに、PLフィルターには寿命があり、だいたい2〜3年と言われています。外でどれだけ写すか次第ですが、だんだんPLの効果がなくなってきます。なんか変だなと思ったら、買い換えましょうね。で、どうせ買い換えるなら、以前の記事にも書きましたが、次は撥水加工のものが便利ですよ(笑)



    JUGEMテーマ:写真
    comments(3), trackbacks(0), - -
    人気ブログランキング 風景・自然写真へ

    にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
    にほんブログ村

    Comment.
    こんばんは。いつも勉強させていただいていますが、「珍しく」落合さんの間違いを見つけてしまいました(笑)
    「CPL(円偏光)フィルター」って、くるくる回るからCPLなのではなく、(原理は詳しく知らないのですが)AFが誤動作しない仕組のPLのことです。なのでただの<a href="http://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/filter/pl/4961607352106.html">PLフィルター</a>でも、前枠がくるくる回りますよ。
    2012/07/15 11:26 PM, from Chorlie
    なんかリンクが変になってしまいました。
    PLフィルター --> http://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/filter/pl/4961607352106.html
    2012/07/15 11:27 PM, from Chorlie
    おはようございます、Chorlieさん。

    ありがとうございます。さりげなく(笑)直しておきました。

    実は、書いた後に間違ったことに気付いて、口笛を吹きながらちょちょっと訂正していることは、よくあります。以前のサイドノートだと、書いてから数日は寝かせて推敲していたのですが、ブログにしてから、携帯で原稿を書いたりして、そのまま載せてしまうことが多くなり、結構ミスが出てます。

    また見つけたら教えてください。いや、あんまりあっちゃいけないとは思うのですが、、、(^_^;)
    2012/07/16 6:18 AM, from 落合勝博
    Add a comment.
    name:

    email:

    url:



    Trackback.
    url:
    New Entry.
    Category.
    Archives.
    Comment.
    • 撮影不適状況下での撮影方法
      落合勝博 (08/11)
    • 撮影不適状況下での撮影方法
      piyosuke (08/11)
    • 撮影不適状況下での撮影方法
      piyosuke (08/11)
    • 霧ヶ峰にニッコウキスゲを撮りに行ったが、、、蓼科大滝の方が良かった件
      落合勝博 (08/11)
    • 霧ヶ峰にニッコウキスゲを撮りに行ったが、、、蓼科大滝の方が良かった件
      piyosuke (08/10)
    • 霧ヶ峰にニッコウキスゲを撮りに行ったが、、、蓼科大滝の方が良かった件
      落合勝博 (08/10)
    • 霧ヶ峰にニッコウキスゲを撮りに行ったが、、、蓼科大滝の方が良かった件
      piyosuke (08/07)
    • ある減圧症の治療記録〜3ヶ月放置した背筋痛の治療〜
      落合勝博 (01/28)
    • ある減圧症の治療記録〜3ヶ月放置した背筋痛の治療〜
      ゆか (01/28)
    • ある減圧症の治療記録〜3ヶ月放置した背筋痛の治療〜
      落合勝博 (01/28)

    pho10.comトップページに戻る
    ブログ内を検索
    プロフィール
    落合勝博(おちあいかつひろ)
     ー 横浜市在住のアマチュア風景写真家
    カレンダー
    SMTWTFS
          1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    30      
    << November 2014 >>

    最新のブログに移動
    新着写真(壁紙)
    (解説付き)これだけあれば何でも写せる!
    お約束 (^_^;) amazonからの関連CM
    このブログの過去記事
    その他
    無料ブログ作成サービス JUGEM