風景写真における水平の取り方 | 風景写真家 落合勝博 ゆるブログ
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風景写真における水平の取り方
category: 写真テクニック初級編
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    写真を撮るようになると誰でも気になりだすのが「水平」の扱い方。
    ポートレートやスナップでは「躍動感」を表現するためにあえて水平を崩す(気にしない?)、ということもしますが、風景写真において「水平であること」は、僕にはほぼ絶対条件なのではないかとさえ思われます。
    なぜなら「水平」であることはイコール「安定感」につながるからです。

    僕が考える風景写真では、美とは別の「何か」がなければいけない、と思うのですが、まず第一に「美しい」という条件を満たした上で語られなくては、誰も見てくれさえしないように思うのです。だから、僕は美しく表現するということに、かなりのこだわりを持っています(注:美にこだわるかどうかは写真家によります。「何か」だけを重視してキレイでないことをヨシとする人もいますし、美を「何か」の対比に使う人もいます。その辺は写真家の世界観、個性ですね)。

    美とは何か、というのはすごく哲学的で難しく、その全貌は未だ僕には見えていませんが。
    少なくとも、何らかの「律」に従った時に美しく「見える」、というのは分かっています。有名な黄金比というのはものすごく厳密に決まった比率によって定義されます。そこまでではなくても、日の丸構図や三分割法というのは、そうした律の原則にうまくあてはめるためにも重要な型なのです、、、正確には「律の存在」を学習するための型であってこれが美の絶対条件ではないとは思いますが。

    律を守ることにより構図上の「安定感」が出せ、結果として、自然の「荘厳さ」や「完全さ」を表現するのに結びつくのではないかと思います。

    そして、荘厳さや完全さというのは、静けさを前提といるように思われます。静かであるためには、どの方向にも動きがあってはいけません(視線誘導とは別の意味でね)。ところが水平が崩れると、重力に従った「向き」が発生してしまいます。重力があればモノはその重力に引かれて動いていってしまうのです。これでは表現として矛盾してしまいます。そこで、まずは「水平でなければならない」ということなのだろうと考えています。

    逆に躍動感とは本質的には「動いていること」つまり「不安定なこと」です。ということは、躍動感を出したい表現意図では、どこにも動かない「水平」という状態を作ってしまうと何もどこにも動かなくなるので躍動感がなく、「お通夜」のような静かな写真となってしまいます。被写体が動いているだけで躍動感を表現できるわけではないのです。サッカーグラウンドの全体風景を撮りたいのであれば水平に撮るべきですが、選手の動きを表現したければ少し崩すくらいの方が元気に動いている印象は強まるでしょうね。三脚を使っていてもF1などのレース写真では顕著に傾けることがありますが、その理由はこの躍動感にあるのだと思います。

    ここまでをまとめると、自然風景を厳かに表現したければ「水平を保つ」ことが前提条件となり、ポートレートやスナップでは躍動感を出すために「水平を保たない」で写すことが必要だということです。

    さて、では、風景写真で水平をとるとして、何を基準に水平を取ればいいのか、ということになりますね。




    手っ取り早い方法としては、カメラ本体上部のホットシューに付ける水準器を使う方法があります。左がノーマルの2WAY水準器。右が電子式の水準器。僕は左のノーマルの2WAYを使っています。理由は電池切れがないからです。最近はカメラに内蔵されていることも多くなってきているので、それがあるならば、もちろん本体内蔵のでも構いません。ただ、機種によってはライブビューと水平が別画面で切り替えなくてはならないものがあります。そうした機種では撮影テンポが崩れるので、別途水準器を導入した方が撮影効率は良いでしょう。テンポが崩れるとメンドクサくなってきて色々手を抜きたくなってしまうので。手を抜くと見る人には案外分かるものです。

    ところで、ノーマルの2WAYを使うとしても、結構、個体差による誤差があったりします。店頭で並べてみると分かります(僕はやってみたんです)。これは正直困ったものなのですが、、、。安いやつに飛びつくとさらに個体差がひどいことになります(店頭で比べてみれば分かります)。

    それに、実は、、、カメラのホットシューも結構ずれていることがあって。というわけで、このホットシュー用の水準器は一つの目安にしかなりません。

    最初は1Dsとか1Dとか50万、100万とする高級機を使っていたので、そういう細かい部分も結構大丈夫だったのですが、20万、30万程度で買える5D mark IIくらいのグレードになると、安く作るためなのか結構検査がテキトーなんです。ホットシューは元々ストロボを付けるためのパーツなので水平に作られていないという文句もどうかと思いますし。まぁ、とにかく個体差が大きいわけです。同じ機種のカメラを2台以上同時に持ち歩く僕の撮影スタイルでは、広角レンズを付けた5D mark IIで水平を作って、画角がわずかに合わなくて望遠レンズを付けた5D mark IIに取り替えるということをしますが、、、水平じゃなくなるんですね。困ったものです。これを回避するためだけでも水準器が本体内蔵されているカメラに変えたいと思わなくもありません。

    とはいえ、そういうグチをいくら言っても仕方ないので、実際に、僕はどうしているのかというと、「目視」で水平線を決めています(笑)。

    え?じゃあ水準器いらないじゃん!と言われるかもしれません。が、それでも必要なんですよ。素早く構図を作るためには水準器を基準として「粗く」構図を作ります。
    実際の撮影作業としては、その後に、木や枝1本、小石1つの出し入れをするような細かなフレーミング調整があるのですが、その最中に、やっぱりこのフレーミングじゃダメだ、もう少し別の構図にしよう、などと仕切り直すこともあります。そうしたやり直しがある時に毎回目視で水平線を出し直すと時間がかかってしまいメンドクサくなってくるわけです。そうした理由から、もうコレで撮るか!という時にわずかに補正するのが目視による確認なんです。

    目視による水平を作る時の基準は、まずは水平線や地平線を基準にすることです。あれば、ですが。ない時には、まっすぐに立っている木とか建物を基準に、それがレンズ中央付近で垂直になるようにします。レンズ端の方は歪んでいるのでがんばって垂直にしても意味ないことが多いです。

    また、水準器または目視により「水平にしたよ」という状態を作っても「水平に見えない」風景というのがあります。湖や海岸線を撮る時にそうした状況になるのですが、向こう岸の水際が「わずかに」斜めにカーブしている時があります。こうした風景で水平を作ってしまうと、人間の目には水平に見えずに、傾いているように錯覚します。ここを「いや、ちゃんと水平にしてるんだから、そう見てよ!」と水平絶対至上主義を貫いてしまうのも一つの方法ですが、僕はこうした風景では「向こう岸」が水平に見えるようにわずかに傾けてしまいます。それで水平に見えるなら、その方がいいよね、という考え方です。ただし、注意があって、本当に水平線や地平線が見えている場合には、それを無視してこうした撮り方をすると、逆に不安定になります。あくまでそうした基準がなくて、水準器を頼りに撮らざるをえない時、という条件がつきます。




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