TPPが風景写真に与える影響 | 風景写真家 落合勝博 ゆるブログ
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TPPが風景写真に与える影響
category: 写真のコラム
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    お久しぶりです。なんだかんだでとっても忙しい状態なのですが、今日は少し時間ができたので、最近感じていることを書いてみようと思います。

    少し前にも、この国の予算がなくなってきていて、撮影地に向かう道路とか渓流とかの維持ができなくなってきている話をしました。そうしたら、まさかの山梨のトンネル崩落事故。長野に抜ける時はいつも使う道路なだけにヒトゴトではなく、かなりショックを受けました。あそこで死んでいたのは、ひょっとしたら僕だったかもしれない、と。ただ、実は首都高が相当なダメージを溜め込んでいて改修費がないから放置されている問題は、以前から僕も着目していたので、いつかはあるんだろうな、とは思っていました。

    そして、今回のTPPですね。これがどう風景写真に影響を与えるか考えていきましょう。

    北海道などで行われている酪農では、すでに今回のTPPとは関係なくサイロがなくなってきている話を以前の北海道旅行の時のコラムでしていたんじゃないかなと思います。この後、TPPで酪農製品(チーズとかバターとかね)が不利な扱いになったら、そもそも後継者不足の問題もありますから無理に酪農を続けるという農家は今よりもさらに減るでしょうね。となれば、もうサイロがどうとかというレベルではなく、そもそも牛を絡めた牧歌的な風景を撮れる場所はかなり減っていくだろうということが予想できます。生き残れる酪農家は高級ブランド牛なのでしょうが、彼らも安い牛肉が増えれば消費が減ることを懸念していますので、かなり怪しくなるかも。十勝の酪農風景は今のうちに写しておかないと、10年後には消えているかもしれません。

    次に米農家です。これも長く続いた減反政策のおかげでかなり水田が減ってきている上に、バブルの時に土地が高値で取引できることが分かってしまったので、それ以来休耕地にして数十年経ってから売ろうと考えていた農家が多かったことは近所を見ていてもよく分かります。その数十年がちょうど今です。バブルから20年を少し越えました。というわけで最近、都市部近郊では水田がいつの間にか住宅地や商業地に変わっていたりします。そこにTPPで米に不利に働くと、、、棚田などの「メンドクサイ」水田は真っ先に放棄されていきそうです。僕にはこれがとっても怖いです。棚田100選に選ばれている地は日本全国にありますが、全部撮りたい!っていう人は、急いだ方がいいかもしれませんね。もっとも、政府が米を切り捨てる確率は相当低いとも思っていますが。そこまで決断できる政治家は今の日本には本当に少ないですからね。

    それからサトウキビ畑なども、安い外国産に負けて放棄されていく確率はかなり高いでしょう。こちらは米と違って、それほど政治家に強い抵抗感はないような印象ですからね。組織票が少なそうですからね。こうした類のものとして、とうもろこし畑とか、小麦畑とか、じゃがいも畑とか、、、。一面、それだけ!っていう農業風景ですね。こうしたものは、減少してしまう可能性がかなりあると思っています。例外的にひまわり畑は最近は観光のためにやっているので今後も継続していけるでしょう。代わりにソーラーパネル畑は写せるようになるか(TPP関係ないけど)。

    これに対して工業製品(つまり写真的には工場)はTPP参加では廃れないでしょうが、以前にも申し上げているように、そもそも日本の人口はこれから激減する状況に陥いります。わずか40年ぐらいで4500万人も減る予想が政府から出ているぐらいですから。そして、そうした人口が減る国のGDPは減少するものなので、国内消費が比例して減少し国内に工場を置くメリットがなくなっていきます。そうすると消費国に近い場所で生産する方が輸送コストが少なくて安く製品を売ることができるので、どちらにしても国内産業の空洞化は避けられません。トヨタ一社がどんなに頑張っても、正直、時間を少し遅らすことができる程度のことでしかないと僕は思っています。TPP参加とか円安で一喜一憂している会社が多いですが、将来的なことを考えれば、人口を増やせないのだから空洞化を阻止できるほどの大きな効果はないでしょう。あ、当然ですが火力発電所も減っていきますからね。自然エネルギーとか天然ガスの割合が増えていきますので。そうなれば、今は夜景で撮っている(萌え的な)工場はどんどん減っていき、工場を撮れなくなっていく可能性が高いということなのです。

    以上のようなことから、20年後、30年後に新たに写真を始めた人が、現在の日本の撮影環境をうらやむ状況が生まれていることは必然。今のうちにせっせと風景写真を撮っておくことは、現在、風景写真を撮る者にとっては、もはや使命でさえあると思うのです。

    僕の見通しは、あまりに悲観的過ぎます?(汗)

    むしろ、今後の日本を背負う子供世代のためには、この予想は外れて欲しいとさえ思っているぐらいです。もう思い切って移民を受け入れてみるとかしないとダメなんじゃないかと思うのですが、日本人の「ガイジン」嫌いは簡単には治らないでしょうからねー(大汗)

    ま、とにかく、撮れる余裕のある人は今のうちに撮りたいものを撮っておかないと後悔する時が来ますよ!っていう警鐘なのでした。

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    Comment.
    日本人には、世界観がない。夢を描くことができない。
    だから、政治家に指導性はなく、国際社会の指導者にはなれない。
    我々は何処から来て、どこに向かうか。
    政治に、現状打開と未来社会の建設がない。
    願いは、常に、現状維持・天下泰平の世の中である。
    自己利益とその痛み分けの相談しかできない。座して死を待つのか。

    http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
    http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

    2013/03/31 7:28 PM, from noga
    こんばんは、nogaさん。

    そうですねー。ビジョンがなくて困りますねー。
    まずは、全ての根本である少子化を食い止める抜本的な政策を打たないとどうにもなりませんね。それができないなら、人口減少を前提としたシステムを作るしかないのに、政府とその周りだけは肥大化したままというおかしな政策は継続。それが経済的に国民を苦しめていて少子化を加速させている現状。

    思えば、見聞きしているだけでも、10〜20年前が風景写真界には絶頂の時で、それ以後はなだらかに悪くなってきているように思います。経済縮小が始まれば、もはや風景写真どうこうではなくて、全ての趣味や文化がそういう側面に遭遇するでしょうね。

    、、、困ったものです。
    2013/03/31 8:41 PM, from 落合勝博
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