#9 視線を集中させる〜教科書の次に読むノート | 風景写真家 落合勝博 ゆるブログ
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#9 視線を集中させる〜教科書の次に読むノート
category: 写真テクニック中級編
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    久しぶりの続編となります。今回は、いかに主役を際立たせるかについて、構図上の観点から述べてみます。以前の#2と#3で説明した内容を一部含みます。

    散漫で訴求力の足りない写真の中には、主役が脇役や背景に埋没していることが、その原因であることがあります。主役が埋没すると、鑑賞者はどこを見れば良いのかとまどい、イライラします。見るべき所が定まらず視線がふらふらしますので、記憶に残らない写真になるのです。

    「日の丸構図」は視線集中効果に関しては絶大な効果を発揮

    想いよ届け、西の空視線を集中させる最も効果的な方法は、画面の中心に主役を配置することです。これがかの有名な「日の丸」構図の最大の効果です。とはいえ、実際に「ど真ん中」に配置してバランスがとれるケースは、主役が真正面か真後ろを向いている時になりますので、主役にその他の向きがある場合には、セオリーに従いその向いている方向を空けた方がよろしいでしょう。この「想いよ届け、西の空」では、主役の周囲を広く空け、周りに同格のものを置かないことで、主役だと分からせています。


    ところで、日の丸構図を用いてなお、主役が埋没したり、存在が弱まる場合があります。その理由には、脇役や背景の方が主役よりも目立つ色調や明度を持つことが挙げられます。人間の視覚特性上、まず一見して他とは違う部分を見る傾向があるのです。ですから、主役以外のもので主役と同格かそれ以上に目立つものはフレーミング時に意識的に外す必要があります。これが「引き算」です。

    目覚めの刻また、主役に重なるものも主役への注意を弱めます。多いのは人物の頭に重なる木の枝や柱、縁石などです。そういうものはどうしても目で追ってしまうのです。主役に重ならないようにアングルを工夫しましょう。
    そして最後に、主役の周囲に一定の何もない空間を用意します。空間を用意するためには、ある程度主役の大きさを小さくしたり脇役と離したりすることが必要です。
    …これで「日の丸構図」が完成します。
    この「目覚めの刻」では、主役に脇役が重ならないアングルを探しています。また、同じピント範囲に同色もしくは同程度の彩度・明度のチューリップを置かないことで主役の埋没を防いでいます。


    三分割法でも考え方は一緒。注意すべきは敵役や脇役の存在感。

    この考え方は、日の丸構図以外でも使えます。
    私がよく使うのは三分割法をベースにした構図法ですが、そこでも当然有効です。

    夜のとばりが開ける刻例えば主役と背景しかない場合では、背景から主役が浮かび上がるようなアングルやタイミングで写します。
    敵役や脇役がいる場合には、それらとは少し離して配置することが必要になります。また、大小や、明度差、彩度差、ボケ量で主役とそうでないもの(敵役、脇役、背景)を分からせる必要があります。
    使用する構図法とは関係なく、主役に注意を向けさせる方法は基本的に同じ考え方なのです。
    この「夜のとばりが開ける刻」では、主役と背景には明度差を持たせるとともに、主役と脇役、背景を少し離しています。


    主役の大きさにより異なる工夫のポイント

    太陽主役を大きく写すと迫力があり元気な感じになりますが、大きすぎては一度に視界に入らなくなり、またしてもどこを見ればよいのか分からなくなります。そういう時には、さらに主役の一部を新たな主役として、そこを目立たせる必要が生じることもあるでしょう。
    この「太陽」では、主役は明らかに鳥。ただし大きすぎる主役は視線を集中させる中心が必要となります。ここでは、頭部を中心に据え、そこから放射状に羽根を見せることで視線の集中効果を狙っています。


    ラヴェルリー/夕日を浴びてこの「ラヴェルリー/夕日を浴びて」では、前景で空を埋めることで視界を制限し、また主役にライトが当たる瞬間を待って、前景や脇役である木々よりも目立たせることを狙っています。


    初心者が嫌うことの一つに、主役を小さく写すことがあります。ズームレンズは便利ですが、必ずしも大きく写すことが良いわけではありません。小さな主役は静かで閉じた印象を与えますので、そういう雰囲気を表現したい場合には積極的に使いたいところです。

    ただし、主役が埋没しないようにさらなる工夫が必要となります。一つの方法としては、前景を使うことで、強制的に視界を狭めることが可能です。ただし一つ気をつける点があります。前景だけでも十分に美しさを伴い、なおかつ主役よりも目立たないものを使う必要があることです。せっかく視界を狭めても違和感があれば台なしですし、目立ってしまっては、それだけ鑑賞者の注意を引いてしまい、主役が分からなくなったり弱まったりしてしまいます。

    以上のことを実践するだけでも、かなり「整理された」写真になるものと期待できます。:-)

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